ケーキをイートインで。
パティシエが腕を振るうパティスリーにも惹かれる。碑文谷の閑静な住宅地に佇む『パティスリー ジュンウジタ』は数々の仏菓子の名店で経験を積んだ宇治田潤シェフによる本格派でいて、地元の人にも愛される親しみやすい雰囲気の小さなお店。木漏れ日の気持ちいい店先で食べるなら、“持ち帰り30分限定”と書かれた「タルトカフェ」(¥778)。丁寧に抽出した丸山珈琲のコーヒームースがあまりにも軟らかく繊細なので長時間持ち歩けないのだ。1席しかないのでおいしい瞬間をいただき、サッと店を去る。だらだら長居しないのが、パティスリーでケーキを食べるときのススメ。
インフォメーション
PÂTISSERIE JUN UJITA パティスリー ジュンウジタ ◯東京都目黒区碑文谷4-6-6 ☎03·5724·3588 10:30~18:00、土・日~17:00 月・火休
世田谷文学館で江口寿史展を見た帰り、甘いものを欲したクタクタの頭で芦花公園駅へ向かうと、商店街の入り口で輝いて見えたのが『アリマ洋菓子店』。1965年から続き、親子3代で通うお客さんもいるほど地域に根差したこのお店は、外壁の「ARIMA」の文字やイートインスペースのベロア地の椅子に昭和な薫りが漂う、もはや町の文化遺産。フルーツたっぷりのプリンアラモード(¥520)の昔ながらの味わいにほっと一息。初めて来たとは思えない安心感があってすぐマップのお気に入りに追加した。よく行く町中華のように気楽に足を運べる“町ケーキ”というのも贅沢かな。
インフォメーション
CAKE & COFFEE ARIMA アリマ洋菓子店 ◯東京都世田谷区南烏山3-1-16 ☎03·3309·3832 10:00~19:00 水休
イタリアのケーキ屋さん“パスティチェリア”にはよくバールが併設されているらしく、代々木八幡のミラノこと『ミレチンクエチェント』がまさにそれ。自分のご機嫌をとるのが上手な先輩から仕事を終えた夕方に“今日ミレチ行っちゃう?”と誘われ向かうと、ショーケースにはまだケーキが残ってた。ラッキー♪ と「トルタ ディ カスターニャ(栗とミルクチョコレートのケーキ)」(¥550)を軽やかな白ワインで。栗がゴロゴロ入ったしっとりのスポンジに濃厚な生チョコがのったドルチェがワインに合う~。夜の疲れた体にワインとケーキ。これには味をしめた。今度は一人で行っちゃおっと。
インフォメーション
1500 ミレチンクエチェント ◯東京都渋谷区元代々木町4-2 ☎03·5738·8821 9:00~23:00 月休 photo: Reiko Toyama, styling: Takayuki Tanaka, hair: Mirai Uejo, make: Kie Kiyohara, illustration: Erika Horiuchi, edit: Minori Kitamura, model: Tsubaki(2024年1月 921号初出)
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