「冷や汗かきっぱなしですよ」元巨人ドラ1→東海大相模監督・原俊介がイチローの前で…今ドキ球児に何を伝えるか「そこを高めなければ、と」
この夏も始まる甲子園への道。日本列島の中で最も激戦区と言われる神奈川県の各校監督はどのようなことを考え、球児と向き合っているのか。『高校野球激戦区 神奈川から頂点狙う男たち』から一部転載で東海大相模・原俊介監督(46)の稿からご紹介します(全5回の第5回/第1回、第2回、第3回、第4回も配信中) 【貴重写真】大谷17歳ガリガリ…なのに甲子園で衝撃の特大HR、並ぶとそっくりな東海大相模の原親子と菅野、ヤンチャそうな学ラン姿の張本、実は投手だった王さん…名選手160人超の高校時代を見る
日常生活を整えることが野球の上達につながる
東海大静岡翔洋から、野球部の監督として誘いを受け、迷うことなく快諾。2004年夏を最後に、甲子園から遠ざかる翔洋の再建を託される形になった。 「技術指導よりも、生活指導をしっかりとやってほしい」 就任時、村上英治校長から送られた言葉である。生活があっての野球であり、学校があっての部活動。その順番を間違えないこと。原監督自身も、大切にしてきた考えだった。高校時代の恩師・村中監督からは、生活と野球のつながりを何度も何度も教えられた。 「掃除、挨拶、整理整頓。身の回りを整えていくと、心が落ち着き、どっしりと練習に打ち込める。高校生ながらにそれを感じることができたのは、村中先生のおかげです」 巨人に入団後、寮内を裸足で歩いていると、寮長から「アスリートは靴下を履きなさい。足元から冷えがくる。何かに引っかけて、爪が剥がれるようなアクシデントを防ぐこともできる」と指導を受けたこともある。些細なことだが、日常を整えることがグラウンドでのパフォーマンスにつながることを、周囲の人に教えてもらった。 東海大静岡翔洋に赴任後すぐに始めたのが、朝の時間を使った校内の掃除だった。野球部員が隅々まで環境を整えることで、学びやすい空間を作る。誰かのために時間を使うことで、心を整える狙いもあった。 原監督自身は朝早めに職員室に入り、掃除機をかけることが日課になった。コピー用紙の枚数を常にチェックして、教職員が働きやすい環境を作った。
学生野球資格制度の研修会にイチローが
2018年、2019年には、「学生野球資格回復制度」の研修会において、幾多の名選手の前で講師を務めた。 巨人時代の担当スカウトで、高校の大先輩でもある津末英明氏もいれば、二軍監督として教えを受けた高田繁氏、さらには2019年にはイチロー氏もいた。 「壇上に立つ前に、『本日お話をさせていただきます。よろしくお願いします』と挨拶回りをしていました。もうずっと冷や汗をかきっぱなしですよ」 プロ野球関係者に、一番伝えたかったことは何か。 「学校生活があっての部活動。元プロが高校野球を教えるようになると、『技術を教えるのでしょう? 』と思われるんですけど、そうではなくて、生活が何より大事。授業を落ち着いて受けられない生徒は、グラウンドでも集中力が切れやすい。そんなことをお話させていただきました」
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