助けて!たらポッキ温泉(青森市) 温度低下で廃業危機 CFで支援募る
青森市鶴ケ坂で40年間営業を続けてきた「たらポッキ温泉」が、温泉水の温度低下のため10月から休業を余儀なくされている。廃業の危機を迎える中、3代目の長内良吉さん(49)は「復活させて次の世代に残したい」と奮起。営業再開に向け、温泉水を温める機械の導入を計画し、クラウドファンディング(CF)で資金支援を募っている。 同温泉は1984年に開業。チーズとタラの珍味「たらポッキ」を製造する「三幸食品」が、工場近くで工業用水のための井戸水を掘削した際、温泉が湧き出しているのを見つけたのがきっかけだった。たらポッキは2019年に製造を終了している。 源泉かけ流しの熱めのお湯が人気で、地域住民の憩いの場としても長年愛されてきた。だが今年8月、入浴客からお湯がぬるいと指摘があり、温度を測ると、いつもは40度を超えるお湯が30度台に下がっていたという。老朽化した配管を修理するなどして9月にいったん営業を再開したが、温度は改善されず、10月上旬から再び休業している。 長内さんによると、原因は井戸の老朽化。昭和の終わり頃から平成初期に開業した温泉施設が、同じ理由で温泉水の温度が低下するケースが最近全国的に相次いでいるという。 長内さんは井戸自体を修理する方法も考えたが、膨大な費用や時間がかかることから断念。CFで温泉水を温める機械の購入への支援を呼びかけることにした。返礼品には、長内さんと親交があるねぶた師・北村春一さんが描いたねぶた絵のポストカードやTシャツ、バスタオルなどを用意。CFの目標額は1千万円で、来年2月16日まで支援を受け付けている。 「老朽化は自然現象なので悩んでいても仕方がない。何か行動を起こさなきゃいけないと思った」と長内さん。「この地区には温泉がここしかない。何としても復活させたい」と話している。同温泉のCFの詳細はCF専用サイト「キャンプファイヤー」で確認できる。