だから、あなたは損ばかり…株式投資初心者がやらかしがちな「結果が出るわけない」トホホな投資行動【経済評論家が助言】
株式投資にチャレンジする人が増えています。しかし、せっかくのチャンスをフイにしたり、行動をためらって大きく傷を広げたりするケースが見受けられます。どのようなところに注意すれば、利益を大きく、損失を少なくすることができるのでしょうか。投資経験豊富な経済評論家の塚崎公義氏が解説します。 国民年金・厚生年金「年金受取額」分布
投資初心者「利益確定売り」が早過ぎる!
老後資金の形成を目指す場合、投信の積立投資を淡々と続けるべきだと筆者は考えています。つまり、現役時代での売却は推奨していません。しかし、それとは別に「小遣いでバクチを楽しむ」なら、売買のタイミングについて考えることは重要です。 株式投資は、買うタイミングもむずかしいのですが、売るタイミングはそれ以上にむずかしいといわれています。一般に、投資初心者は「利食い売り(利益確定売り)」が早すぎる一方で、損切りすべきときに塩漬けする傾向にある、といわれています。 株価が10倍以上になった銘柄は数多いので、投資初心者のなかにもそんな銘柄を買ったことがある人は多いかもしれません。しかし、多くの人が3割値上がりしたところで売ってしまい、3倍になるまで持っていた人は稀だと思います。 株価が上がってくると、利益を確定したくなる人が多いようです。そもそも株式投資は「怖いもの」だと思っているので、「いまのうちに売っておかないと、値下がりして利益が消えてしまうかもしれない」と考えるのでしょう。 人間の脳は儲かった喜びより損した悲しみを強く感じるようにできているので、「せっかくの儲けを失う恐れ」を「儲けが2倍になる期待」より強く感じるのかもしれません。
一方で、損切りできず「塩漬け」にしがち…
一方で、株価が値下がりすると、本来は損切りをすべきときでも売らずに「塩漬け」にする投資初心者が多いようです。「いま売ったら損が確定してしまう。それは避けたいから、値段が戻るのを待とう」ということなのでしょう。 実際、暴落した株価が戻ってくると、売り注文が増えるといわれています。「やれやれ売り」というのだそうですが、ホッとして売り注文を出している投資初心者の顔が目に浮かぶようです。 株価の戻りに賭けたい、という気持ちはわからなくはありませんが、その理由が「こんな株を買った自分が愚かだったと思いたくない」ということだとすると、「自分に見栄を張って非合理的な選択をする」のはお勧めできませんね。