首里城で「久志間切弁柄」の上塗り始まる 5月ごろまで 「平成の復元」より濃い朱色に 沖縄
2026年秋の完成に向けて再建工事が進む那覇市の首里城正殿で8日午前、かつての久志間切(現在の沖縄本島北部)から調達されたバクテリア由来の赤色顔料「久志間切弁柄(くしまぎりべんがら)」を用いた上塗り塗装が開始された。 【写真】HY、オズワルド、AKINA… 沖縄出身のアーティスト、首里城へメッセージ
5月ごろまでには外壁全体の塗装を終える予定で、「平成の復元」時と比べ、より濃い朱色となり、往時に近づいた首里城が見られるようになる。 久志間切弁柄による上塗り塗装は、正殿屋根の入母屋(いりもや)部分の破風板(はふいた)から開始され、漆職人らが丁寧に塗装作業を行った。 首里城正殿独特の朱色は「平成の復元」時には、市販の弁柄を使用していた。今回の「令和の復元」では、古文書の記述に基づき、久志間切弁柄を用いる。 首里城の正殿工事で塗装作業を担当する「漆芸工房」(那覇市)の諸見由則代表は、久志間切弁柄による上塗り塗装が開始されたことを受け「ほっとしている。長い間、(塗料の)試験をしてきた。前回は市販の弁柄を使ったかなり明るい色だったが、今回は往時のものに戻している。来場する方々には、そこをチェックしてもらいたい」と笑顔で見所を語った。(與那原采恵)
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