[柏木由紀さん]脊髄髄内腫瘍 夜更かしはやめた…自分を大事に元気であり続けたい
一病息災
有名人に、病気や心身の不調に向き合った経験を聞く「一病息災」。今回は、タレントの柏木由紀(かしわぎゆき)さん(33)です。 【写真4枚】3、4歳ごろの柏木由紀さん。今のすっぴん顔も披露
入院で体力低下 退院後は足にしびれ…「やめどき」が頭をよぎる
退院から約1週間後の2021年7月、パーソナリティーを務めるラジオ番組に復帰した。その後も7月中は週2回ほど通院しながらリハビリを続けた。自宅でも水の入ったペットボトルを上げ下げするなどの筋トレを欠かさなかった。 数日後、歌番組では踊りながら歌うこともできるようになった。ただ、このとき初めて披露された新曲「根も葉もRumor」は、ダンスの振りが激しく複雑で、大事をとって参加を見送った。9月に出演が予定されていた歌番組に間に合わせるため、8月からはほぼ毎日、腹筋やストレッチを行い、新曲の振り付けを覚える個別練習も始めた。 だが、入院で体力の低下が著しく、バランス感覚も戻っていなかったため、しゃがむ姿勢をした時、ふらついた。手術前にあった手のしびれはなくなったものの、脊髄にメスを入れたことが影響し、今度は足がしびれるようになった。 なんとか、番組収録の2日前に他のメンバーと一緒に踊れるようになり、収録も無事にこなせた。この間、思うように体が動かず、「やめどきかな」と頭によぎったこともあった。でも「ステージに立ちたい」という思いは消えなかった。 ダンスの講師から教わった体力作りに励み、ライブのリハーサルや練習はほとんど参加した。体力は徐々に回復し、迎えた年末、連日のライブや番組の収録で、他のメンバーと新曲を踊っても気にならなくなった。
手術後も年に1回は病院で、磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受け、再発していないか確認している。今は、走ったり踊ったりしても問題ないが、正座した時の足がしびれたような感じがずっと続いている。服を着る時、左上半身にくすぐられたような違和感を覚えることもある。 今ではその違和感にも慣れてはきたが、コンサート前などの緊張している時は気になってしまう。今年3月に行われた卒業コンサートの直前に、しびれが表れた際は、再発を疑い検査してもらった。「画像に少し怪しい影があるかもしれない」と言われ、ドキドキした。検査を重ね、問題ないとわかり、ホッとしたが、「これからも『もしかしたら』と考えながら、病気に向き合っていかなければならない」と改めて実感した。 健康には気を使うようになった。午前3時まで夜更かしすることもあったが、今は日付が変わる前には寝るようにしている。以前はよく口にしていたカップラーメンなどのジャンクフードもなるべく控えている。「人に元気になってもらうためには、まず自分を大事にして元気であり続けないといけない」と病気を経験して思うようになった。 AKB48は卒業したが、ステージにはこれからも立ち続けるつもりだ。「前向きに一つ一つの仕事を大事にしていきたい」(文・小山内裕貴)