【解説】自民党総裁選 「籠城」に「暗号」も…勝つのは誰か?
■議員票の争奪 “籠城電話作戦”
鈴江キャスター 「そして、2つめの疑問です。議員票の争奪戦で“籠城戦略”も続いているんですか?」 平本記者 「党員投票は25日に事実上、終わったとみて、各候補はここにきて一気に、国会議員への働きかけにシフトチェンジしています。わかりやすい動きをみせていたのは高市氏と河野氏などで、議員宿舎に日中こもって、ずっと電話かけをしていたそうです。『籠城電話作戦だなぁ』といった声も出ていました」 「特に態度未定の議員への電話攻撃が激しくなってきているようです。例えば岸田首相はまだ態度を明らかにしていませんが、24日午後11時ごろにアメリカから戻ってきましたが、そのあと岸田首相が自分の携帯を見て留守電の多さに驚いていたことを周辺に語っていたそうです。また、別の態度未定の議員は『昨日だけで50件くらい電話があった。携帯の充電ももたない』と取材に対して悲鳴を上げていました」 鈴江キャスター 「各陣営がそれぞれの議員に電話をしている状況ということなんですね」
■「5123」「148」「378」 決選投票に向け“暗号作戦”も
鈴江キャスター 「そして3つめ、『決選投票に向け“暗号作戦”も』。これはなんでしょうか?」 平本記者 「『暗号』を決めておこうという動きが出ているんですね。例えば3つの数字を使う案があるそうで、『5123』『148』『378』、これなんの数字かわかりますか?」 鈴江キャスター 「なんだろう…名前になっていますか?」 鈴江キャスター 「そうなんです。『5123』なら『こいずみ』、『148』は『いしば』、『378』は『さなえ』と名前になっています。この暗号を今使い始めているという話が聞こえてきています」 鈴江キャスター 「メールとかでやりとりする時に名前で打っちゃだめなんですか、暗号にする意味はありますか?」 平本記者 「これは総裁選のルールが背景にあるようです。総裁選は1回目の投票で決まらなければ上位1位と2位の決選投票となります。この1回目と2回目の決選投票の間、会場内の同じ席で待機するルールになっていて、陣営ごとに集まって『2回目は誰にしよう?』と話し合うチャンスがないルールです。そこで、陣営幹部がメンバーだけのルールとして、決選投票はこの人でいこうというのをメールで暗号を使って知らせる準備をはじめているという状況のようです」 鈴江キャスター 「暗号じゃなくても名前でもいいような気もしますが?」 平本記者 「僕もそう思って同じ質問をある陣営の関係者に聞いたところ、『陣営の人にしかわからないようにするため』と話しているんですけれども、それで数字・イニシャルだったり暗号を使うようなんですけれども、その要因の1つが今回、総裁選は『脱派閥』がテーマになっているので、派閥などが指示をだすこと自体が、公になると批判を受ける可能性もあって、他の陣営には知られないようにと、より慎重になっている面もあるということのようです。あと2日ですけれども、議員票をめぐる各陣営の駆け引き、さらに激しさを増しそうです」