注目の日本代表GK・鈴木彩艶インタビュー! 惨敗アジア杯での批判、差別コメントをどう受け止めたのか?
――失点シーンなどで「あの場面はこうしていたら」とか、特に印象に残っている場面はありますか。 鈴木 すべての失点シーンで、はじき方やポジショニングについて『ああしていれば良かった』というところはあります。ただ、GKをやっている限りはその連続で、失点を通して学ぶことも多い。 ひとつシーンを挙げるなら、そこまでフォーカスされませんでしたが、イラン戦の1失点目です。もともと自分のキックから始まったプレーですし、イランの20番(FWアズムン)のスルーパスを21番(FWモヘビ)に決められましたが、僕はもう少し長いスルーパスが出てくると予測して、少し前にポジションを取っていました。 結果的にスルーパスは想像より短く、シュートを左隅に決められてしまいました。あそこはポジションを前に取るべきではなかったなと。 ――失点が続き、SNSなどで批判の声が上がりました。 鈴木 実際ミスはあったし、(批判は)受け入れていました。代表選手として試合に出る以上、ミスをすれば批判されるのは当然です。 ――エゴサーチもした? 鈴木 自分で検索しなくても、普通のニュースを見ようとネットを見れば、嫌でもそういう情報は伝わってくるというか、目に入ってきますよね。 ――中には過剰な批判もありました。 鈴木 過剰というよりは、GKを経験したことのある人と、そうでない人では着眼点が違うので、そこに目を向けるんだって思うものはありました。自分の中でこうすれば良かったと分析していたのに『えっ、そっち?』みたいな。 でも、アジア杯の失点は防がなければいけないものが多かったですし、何を言われても仕方ないと思っています。 ――大会期間中、自らSNS上で人種差別的発言を受けたことを明らかにし、そのことについては「やめてほしい」と意思を表明しました。 鈴木 プレーに関してはいくら批判されても構わないです。でも、差別的な発言は別。控えてほしいです。 ――ほかのフィールドプレーヤーと比べ、GKは損な役回りだとは思いませんか。 鈴木 GKはプレーしていれば失点に関わってしまうことはありますからね(苦笑)。ただ、逆に活躍すればヒーローにもなれる。難しさはありますが、それこそがGKの楽しさというか。今あらためてGKの難しさとやりがいを感じています。 ――「なぜこんなに批判されるのか」とは思わなかった? 鈴木 それは思わなかったですね。そこはGKの宿命というか。選手としてはプレーでしか表現できないので、今後はもっと強くなって戻ってきたいです。