「コルク狩り」や「恐喝」を繰り返していた

取材に訪れたこの日、川越街道沿いにあるドン・キホーテの駐車場には、ヤンチャそうな少年たちがたむろしていた。記者が話しかけると「ネリケン(練馬喧嘩會)のことっすよね。ここら辺の界隈では有名っすよ」と口を揃える。10代の少年はタバコをふかしながら、こう説明してくれた。 「ネリケン(練馬喧嘩會)は5年前くらいに結成された暴走族で、12、3人のメンバーの大半は高島平団地出身。高校中退したり中卒の子が多いから、普段は土木の仕事をしたりしてる。夜になると集まって、上板橋から高島平あたりをワンツー(小型スクーター『アドレスV125』)で走りながら『地回り』という名のパトロールをするんです。 以前からコルク(コルクヘルメット)を被ってる同世代の子がいたら止めて『ここ俺らのシマだから』とか『ここ走っちゃダメだから』とか詰めて、場合によってはコルクを没収したり恐喝したり殴ったりもしてた」 逮捕された4人のうち、中学生をのぞく3人は「ネリケン」の幹部メンバーに君臨していた。髪型は全員が短髪のフェードカットで、板橋区の17歳の少年が「ネリケン」の二代目リーダー。地元では「ワル」として有名だったという。 「リーダーの『T』はそこまで身長が高いわけではないんだけど、ネリケンは年齢で序列が決まるわけではなく腕っぷしの強さも重視されるので、相当ケンカも強かった。実際に、自分の知り合いも自転車に乗りながら『T』を見てただけで、『おい何見てんだコラ』と因縁をつけられて蹴られたから逃げたと言ってた」(前出・10代の少年) 後編『「練馬喧嘩會」のバックにつく「大人の正体」…原付を「ニケツ」で蛇行運転、「ポリ鬼」に明け暮れる不良少年の日々』では、逮捕された「練馬喧嘩會」のメンバーを支える「後ろ盾」の存在について詳報する。