国内初のウクライナ名誉領事館、神戸学院大に開設 戦災復興と避難民の支援を軸に交流促進
ロシアの侵攻を受けるウクライナが日本で初めて開設した名誉領事館が26日、神戸学院大ポートアイランドキャンパス(神戸市中央区港島1)で関係者向けに公開された。復興と避難民支援を軸に交流を促進するといい、名誉領事に就いたウクライナ研究の第一人者とされる岡部芳彦教授(51)=経済学部=がセルギー・コルスンスキー駐日特命全権大使らに施設を紹介した。 【写真】言葉も文化も違う街、炭酸せんべい店で懸命に ウクライナから避難の18歳男性 名誉領事館は民間人が外交活動の一翼を担う拠点で、在神戸ウクライナは10月1日に開設した。学術交流も視野に、大学の研究室(約50平方メートル)に整備。室内には、兵庫県が「創造的復興」の理念に基づき復興支援の覚書を交わしているイワノフランコフスク州とミコライウ州、神戸市と協力関係を築いているリビウ市の旗を立てたほか、ウクライナの民芸品を飾っている。 この日はコルスンスキー氏ら関係者ら約100人を招き、和柄にアレンジしたウクライナの民族衣装を着た岡部教授が案内。ウクライナの専門書を所蔵し、市民や避難者が利用できる併設の「研究センター」もお披露目した。 岡部教授は今も多くの避難民が日本で暮らしている現状を踏まえ、「さらなる自治体交流やウクライナ人のコミュニティーづくりにもつなげたい」と話し、コルスンスキー氏は「このような強力な拠点が置かれて大変うれしい。兵庫、大阪、ひいては関西とウクライナとの関係が深まることを期待する」と述べた。(井上太郎)