「健康的な清涼飲料水『クラフトコーラ』」鍋でグツグツ…個性的な味が続々 近ごろ都に流行るもの
天然のスパイスや果汁を煮詰めて炭酸で割った「クラフトコーラ」の市場が広がっている。従来のコーラとの違いは「健康志向」。各地の農産物などを生かした個性的なフレーバーが続々誕生し、業界団体「国際クラフトコーラ連盟」では現在国内で100社1千商品に上ると推計する。日本発のクラフトコーラの普及発展を目指す連盟には、全国と台湾の50社以上が加盟しイベントを定期開催。個人で手作りできるオタク的な要素もあり、近年若年層に増えている、飲酒と距離を置く「ソバーキュリアス」らの関心を集めている。 ■「急性膵炎で断酒…」麹甘酒をベースに 「カルダモン、シナモン、クローブ。3つのスパイスがコーラの甘い香りのベースになります。奇抜な味を作りたかったら花椒や唐辛子を入れても」 講師の声に耳を傾け、参加者がコーラシロップの小鍋をグツグツ煮ている。コーラに必要な材料はスパイスにかんきつ類、糖類と水。好みのハーブや果実も使え、素材選定と配合が腕の見せ所になる。 4月、東京・臨海副都心の有明ガーデンで開かれたイベント「クラフトコーラヴィレッジ」のワークショップを取材していた。 「今回はきび糖を使ってますけど黒糖ならどうか? オレンジを地元のみかんやレモンにしたら? とか、組み合わせは無限大。参入障壁が低く、全国各地で面白いクラフトコーラが続々と生まれている」と、ウェブメディア「Cola(コーラ)Fan(ファン)」の空水(そらみず)りょーすけ編集長(33)。各社商品を試飲すると、それぞれ辛みや渋みが甘さと融合して、パンチを持ちつつ洗練された味わいにまとまっている。 「自分で作ることでメーカーのすごさも分かるし、探究心にも火が付く。オタク心をそそる要素があり、カゴいっぱい買ってくれる人も男性が多いですね」 2年前から開かれている国内最大のクラフトコーラの祭典に20社37商品が出展。小規模事業者が多いため普段は通販や道の駅、サウナ・温浴施設などでしか買えないレア物も集まり、今回は10日間で約2万人を動員した。集客・売り上げともに毎回1割増ペースで伸びているそうで次回は、7月25日から東京・二子玉川で開催が予定されている。 ◇