川勝知事が残した“最悪の置き土産”…意味のなかった「リニア騒動」の全貌
静岡県の川勝平太知事は、リニア問題の解決策など示さず、一切合切をすべて放り投げた。あまりに無責任な姿勢を見せた川勝知事だが、彼のこの「正体」は、2022年夏のリニア南アルプス工事現場の視察と建設促進期成同盟会での発言を振り返れば、いちばんわかりやすい。 【写真】川勝知事はなぜ「セクハラ事件」に目をつむったのか 前編『静岡・川勝知事がリニア問題の解決策などすべて放り投げて辞職…そのヤバすぎる「正体」』
川勝知事に寄せる期待は「虚しい」ばかり
静岡県は2022年7月14日、リニアの早期開業を目指す沿線都府県の「建設促進期成同盟会」への加盟を許可された。 同年8月9日に初めて開かれたオンラインの総会で、川勝知事は「2027年品川―名古屋間の開業、2037年大阪までの延伸開業を目指す同盟会の立場を共有する」、「リニア整備の促進を目指してスピード感を持って課題の解決に取り組む」と同盟会加盟に際しての誓約を表明した。 沿線知事らは川勝知事の「正体」を何ら知らずに、「早期全線開業を目指す態勢が整った」と期待を寄せたのだ。 その前日の8日、川勝知事はリニア南アルプストンネル静岡工区で最大規模の残土置き場が計画される燕沢(つばくろさわ)と東京電力RPの田代ダムを視察した。 その際の発言を承知していれば、川勝知事への期待がいかに虚しいかわかったはずだった。 JR東海は同年4月、東電RPの内諾を得た上で、田代ダムの取水抑制案という、川勝知事の求める県境付近での工事中の「全量戻し」に対する解決策を発表した。 このため、大勢のメディアを引き連れての田代ダム視察を行った。 視察には、県地質構造・水資源専門部会の森下祐一部会長(静岡大学客員教授)、塩坂邦雄委員(株式会社サイエンス技師長)が同行した。 まず、大井川流域の大規模崩壊地である赤崩(あかくずれ)を車中から視察した。 塩坂委員が「畑薙山断層帯は非常に弱い地層であり、大量の突発湧水が出る恐れがある」などと警告した。 塩坂委員は、トンネル建設予定地の断層は「背斜構造となっていて力の掛かり具合が複雑であり、地下水枯渇の恐れがある」などの持論を披露して、地下トンネル建設に強い疑問を投げ掛けた。これが県専門部会委員の役割である。