【Playback箱根駅伝】第2回/明大が9区逆転で初優勝 早大は河野兄弟の活躍で往路V
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第2回箱根駅伝総合成績と区間賞一覧をチェック!
第1回大会に出場した東京高師、明大、早大、慶大に加えて中大、法大、東農大が新たに参加。第2回大会は「七大校対抗駅伝競走」の名称で日比谷音楽堂を発着点に開催された。 往路の主役となったのは早大の河野兄弟だ。1区で弟の謙三が2位の法大に2分46秒差をつけると、2、3区も先頭をキープ。4区の兄・一郎も区間3位ながら首位を守った。 5区では2位の明大と2分05秒差でタスキを受けた麻生武治が区間賞の快走。リードを3分30秒に広げて往路優勝を果たした。 往路優勝の立役者となった河野兄弟は卒業後に政治家として活躍。一郎は副総理や農林大臣などを歴任し、1964年には東京五輪担当大臣を務めた。謙三も日本陸連会長、日本体育協会会長を務めたほか、参議院議長として名を馳せた。 また、麻生はクロスカントリースキーの選手としても活躍。1928年にスイスのサンモリッツで開かれた冬季五輪に初の日本代表として出場している。 復路では2位スタートの明大が追い上げる。6区の江俣広が区間賞の走りで2分10秒差に迫ると、7区の得能末吉で逆転。だが、早大も8区の大江正行が明大を抜き返して再びトップに立ち、勝負は終盤の2区間にもつれ込んだ。 9区では明大の藤井嘉市が早大を抜いて首位を奪い返す。一方の早大は東京高師にも抜かれて3位に転落した。明大は10区の下村広次がトップを守り抜いて先頭でフィニッシュ。初優勝を飾り、25秒差で2位に終わった前年の雪辱を果たした。初代王者の東京高師は6分00秒2差で2位となり、往路優勝の早大は2年連続の3位に終わった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)