販売が始まったalli（東京都江戸川区のウエルシア薬局江戸川一之江店）

　腹部が太めな人の内臓脂肪や腹囲の減少に効果があるという大正製薬のカプセル錠「alli（アライ）」の販売が4月8日、始まった。服用対象者は一定の腹囲があり生活習慣改善に取り組んでいる人で、購入するときに薬局・薬店で薬剤師の服薬指導が必要な「要指導医薬品」。薬剤師は購入希望者が条件を満たしているか見極める目が求められ「薬の適応や副作用を丁寧に説明し、やせている人には販売をお断りする」（東京都内の薬局）としている。 　alliは有効成分オルリスタットが消化管内で脂肪分解酵素の活性を阻害することで、食事で摂取した脂肪の約25％を、体内に吸収せずに便と一緒に排出する。オルリスタットが内臓脂肪を分解するわけではなく「服用と併せて食事、運動などの生活習慣を改善することで内臓脂肪が減少し、結果として腹囲の減少へと導くことが期待できる」（大正製薬）という。 　服用条件の一つがへその高さの腹囲で、男性は85cm以上、女性は90cm以上。販売初日の8日、ウエルシア薬局江戸川一之江店（東京都江戸川区）で取材に応じた同薬局の土山雄平ヘルスケア商品部長は「購入希望者の申告を信用する」と言う。 　また、初回購入前の3カ月以上、食事や運動など生活習慣の改善に取り組んでいることも条件となっている。実際に希望者に接する同薬局の薬剤師雁金千晶さんは「持病や服用している薬の有無とともに、チェックシートを基に生活習慣改善を希望者から聞き取る。腹囲や改善の取り組みが条件を満たしていなければ、販売をお断りする」と言い切る。 　オルリスタットは世界の多くの国で広く使われている。一方、副作用として便漏れや下痢があるため、大正製薬は便漏れパッドや介護用おむつの利用を推奨。こうした説明には10～20分かかるとみられるが、土山さんは「客の悩みに答える素晴らしい薬なので、丁寧に説明したい」と話していた。