「和田毅は早慶戦のマウンドで…」松坂世代“慶應大4番バッター”が語る、じつは旧友にひっそり告げていた引退決断の真相「珍しく弱音を吐いた」
2024年11月5日、福岡ソフトバンクホークス・和田毅投手(43歳)が現役引退を発表した。大学時代、エース対4番打者として早慶戦で対戦し、同じ松坂世代として親交を深めてきたフリーアナウンサー田中大貴氏が惜別の思いを綴った。 【貴重写真】「早大・和田vs慶應大4番・田中大貴」「PL上重と“眉毛キリッ”な学ラン姿」「ヤンチャそうなダルと芝生でゴロゴロ…」松坂大輔、杉内俊哉、城島慎司、阿部慎之助、藤川球児、鳥谷敬…スター選手の懐かしい姿も(50枚) 膝はねじ切れるように痛かった。膝だけじゃない。長年酷使した肩、粘り強いピッチングを支えてきたふくらはぎ……激痛が走るたびに身体を奮い立たせ、周囲には気付かれないよう気丈に振る舞った。何とか実戦のマウンドに舞い戻れるように――43歳の和田毅は今日まで試行錯誤を続けていた。
CS、日本シリーズで最後を勇姿を…
じつは、今年7月に二軍に降格した頃から現役引退を決意していた。だからポストシーズンは、何とかファンに最後の勇姿を見せたいと、野球人生のすべてを懸けていた。短いイニングでもいいと、なりふり構わず中継ぎ登板でのマウンドを選択した。 しかし、膝が限界を超えた。 10月の実戦登板中に激痛が走り、立っていられないほどの感覚が抜けず、途中降板。むしろ、マウンドに上がれていること自体が奇跡的な状態だった。 振り返れば、2024年は野球人生で最も大きな不安を抱えてのスタートだった。春先から肩周りの筋肉の張り、ふくらはぎの張りがとれず、和田毅が生命線としてきた投げ込みと走り込みが出来ないまま新シーズンを迎えた。 「正直、これだけ練習が出来ずにキャンプに入るのは人生では初めて。今年はどうなるだろうかという部分はある」 めったに弱音を吐かない和田が珍しく、嘘偽りのない本音を吐露した春だった。 2007年オフに初めて左肘にメスを入れた。MLBオリオールズ時代にはトミー・ジョン手術を受けた。その後も左太ももや左肩の故障に見舞われ、MLBではわずか5勝に終わった。アメリカの地での思い出はほとんどがリハビリ生活だったと言う。 ソフトバンクへ復帰した後も左肘の痛みに苦しめられた。36歳となった2017年には肘頭骨棘切除術を行い、再び長期離脱を余儀なくされた。「もう無理かもしれない。松坂世代の同級生が続々と引退していく姿を見ていると、自分もその時が近付いているのかもしれない」と、覚悟する時期もあった。 しかし、和田は痛みに本当に強かった。 驚くべきことに、復帰した2019年以降では92試合に登板し、34勝を挙げている。2022年にはストレートの最速は149キロをマーク。なんと41歳でキャリアハイの数字をマークしたのだ。 想像を絶するリハビリ、治療、トレーニング、食事管理により、不死鳥のごとく舞い戻ってきた。だからこそ、再び和田の闘志をマウンドで見られると信じていた。しかし、蝕まれた身体はもう限界を迎えていたのだろう。率直な和田の言葉が、それを物語る。
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