「ドーム球場」は必要? 県が来年度予算案を発表…知事 “肝いり” の新野球場計画に注目(静岡県)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
静岡県は2月13日「来年度予算案」を発表しました。注目されるのが県が浜松市に整備する新野球場について。ドーム球場を求める声も上がっていますが、多額の費用がかかることから懸念の声も上がっています。 (静岡県 川勝知事) 「方針は大きく2つ。人づくり・富づくりを着実に推進する。そしてもう一つの方針は、生産性の高い持続可能な行財政運営」 私たち県民が1年間に県に納める税金は、1人あたり約14万円。13日、その使い道となる来年度予算案が発表されました。一般会計の総額は、新型コロナ対策の費用が減ったことから、2023年より543億円少ない1兆3160億円で、6年ぶりに減少しました。 半導体不足の解消や円安の影響で企業の収益が増えるため、来年度は、県税収入が80億円増える見込みですが、どのように使われるのでしょうか? (静岡県 川勝知事) 「世界クラスに向けて飛翔する、そういう時期を迎えている。静岡中心主義ではなくて、日本の理想に向かって、SDGsのゴールを念頭に置きながらやっていきたい」 来年度、県が力を入れる事業は大きく分けて4つ。 まずは、能登半島地震を受けた「災害対策」で、災害時に、孤立した集落に物資を届けられるようドローンを整備する費用などに総額99億円を計上しました。 次にあげたのが「イノベーション」事業。全国に先駆けて「空飛ぶクルマ」の導入を目指し、ロードマップを策定する費用などに総額2億5千万円を盛り込みました。 このほか、不妊治療に関して、保険が適用されない先進医療にかかる費用を補助するなど、子育て支援を充実させる取り組みに総額922億円。 プロ野球に参入する「くふうハヤテ」や、卓球の「静岡ジェード」などプロスポーツチームが増加したことから、競技力の向上やスポーツの新しい価値を生み出すための取り組みに総額7億2千万円を盛り込みました。 スポーツへの関心が高まる中、注目されるのが、県が浜松市中央区の遠州灘海浜公園に建設する新野球場についてです。川勝知事“肝いり”の新野球場計画。しかし、県が8年前、予算案に野球場を建設するための関連経費を計上した際は自民党会派が反発。野球場に関する費用を削除し、県政史上初めて「修正案」が可決される事態となりました。 (静岡県 川勝知事) 「浜松市の中でコンセンサスがないことが理由。それをあげて反対している。コンセンサスがないのは我々も動きにくい。ボールはいま浜松市に投げられている」 その後、新野球場をめぐっては、専門家が、夜間照明がアカウミガメに影響を与えると指摘し、県は「ドーム型」と「照明がない野外球場」の2つの案に絞りました。 一方、浜松市や地元の経済界は「期成同盟会」を設立。川勝知事に対し「プロ野球が開催できる2万2000人規模で、野球以外の幅広いイベントが開催できる多目的ドーム型スタジアム」を要望しました。 これに対し、川勝知事は経済波及効果や費用対効果を調査した結果、プロ野球が開催できる規模の「ドーム型球場が望ましい」との見解を示していました。 (静岡県 川勝知事) 「野球に対する関心は高いと思っています。ドームとはまだ決まっていませんが、その方が望ましいという方向に向いてるという感触を持っています」 しかし、収容人数が2万2000人規模の「ドーム」球場の場合、建設費の概算は最大370億円。多額の費用がかかることから、県議会の自民党会派からは「需要調査が不十分」と批判の声も上がっています。 ドーム球場の必要性について地元・浜松市民は… (浜松市民) 「浜松や静岡はサッカーが有名、野球の人気が広がるきっかけとしてドーム球場がお金はかかるがあってもいいかな」 「野球場なら野球興味ないので行かないかも。人が入ればいいけど微妙」 新野球場について県は、県議会2月定例会で基本計画の素案を提示し、6月に基本計画の正式決定を目指しています。
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