「日本選手最多予選通過数」「過去最多トップ10フィニッシュ」など全米女子OPで更新された様々な記録とは?
メジャーに出場した3人に1人がトップ20フィニッシュ
メジャー初挑戦の竹田は16番パー4で1オンしてイーグルを奪うなど飛距離を生かして9位タイ。初めてのメジャーでトップ10に入った日本人選手はこれまで藤井かすみ(2001年7位タイ)、佐伯三貴(2007年7位タイ)、比嘉真美子(2013年7位タイ)、渋野(2019年優勝)と4人いたが、すべてが「全英女子オープン」での出来事。米国開催では初の快挙である。 最終日、笹生と同じ組でプレーした小祝は前半スコアを落としていたが12番からバーディーラッシュをかけた笹生に呼応するかのように後半巻き返して9位タイ。自身初のメジャートップ10入りを果たした。 笹生の快挙、渋野の復調、古江の粘り、竹田の勢い、そしてマイペースを貫いた小祝。メジャーのトップ10に日本勢が5人も名を連ねるのは、もちろん初めてのことだ。 これまでの最多記録は2008年「全英女子オープン」での3人(不動裕理3位タイ、宮里藍5位、上田桃子7位タイ)。笹生のメジャー2勝目をはじめ日本勢が数々の記録を打ち立てる歴史的な大会となった。 トップ10は逃したが山下美夢有が12位タイ、岩井千怜が19位タイに入り、20位以内の日本勢は計7人。これもまた従来の4人(過去4回)を大幅に塗り替える最多記録である。 まだメジャーは2大会を終えただけだが、他の国と比較しても日本選手の勢いはすごい。初戦の「シェブロン選手権」では勝みなみが9位タイに入っており2大会合計でのトップ10入り6人は米国の5人を上回る最多人数。トップ20では計10人となり、これまた韓国の8人を抑えて1位である。 2大会の合計出場人数は米国86人、韓国40人に対して日本は31人と少ないことから、率でも米韓を圧倒。トップ10率は19.4%、トップ20率は32.3%にものぼる。日本の女子ゴルフはメジャーで出場した3人に1人が20位以内に入るという、かつてないほどの驚異的なレベルに達しているのだ。 次のメジャーは6月20日開幕の「KPMG全米女子プロ」。会場のサハリーCCでは2016年以来2回目の開催となる。前回、日本勢は5人が出場して宮里藍の39位タイが最高位と振るわなかったが今の日本勢なら誰かが攻略してくれそう。再び記録的な大会にしてほしい。
宮井善一