【Playback箱根駅伝】第64回/順大圧巻のV3!復路全区間含む7区間で区間賞 2位に17分09秒差の大会新
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第64回箱根駅伝総合成績をチェック
第64回(1988年/昭和63年) 復路鶴見中継所では11校が繰り上げスタート 1区は大東大・実井が区間賞
順大が2位の大東大に17分09秒の大差をつける圧勝。11時間4分11秒の大会新記録で3年連続7回目の総合優勝を果たした。総合、往路、復路の3賞を独占しての完全優勝は60回大会の早大以来で、順大としては初の快挙だった。 過去2年は復路で逆転優勝を飾った順大だが、この年は往路から強さを発揮する。1区の三浦武彦が先頭の大東大と16秒差の2位と好スタートを切ると、2区の鈴木賢一が区間2位の快走。前年に区間賞を獲得していた大東大のエースである只隈伸也を14kmで抜いて首位を奪った。 ロードでもトラックでも格上の只隈に、あえて実績が少ない鈴木をぶつけるのは大胆な作戦でもあったが、澤木啓祐監督は「がっしりした体格の鈴木に粗削りながらも潜在的な魅力を感じて」の起用だったことを明かした。 順大は3区の打越忠夫、4区の石原典泰も区間賞を獲得してリードを拡大。5区の倉林俊彰も区間2位でまとめて、2位の大東大に6分9秒の大差をつけて往路優勝を果たした。 「復路の順大」はこの年も健在だった。6区の仲村明は第62回大会から変更されたコースでは初の60分切りとなる59分26秒の区間新記録を樹立。7区以降も全員が区間賞という圧倒的な走りで後続をぐんぐん引き離していった。 順大が速すぎたために鶴見中継所では大東大、日体大、日大を除く11校が繰り上げスタート。全チームがタスキを途切れることなくつないだ前回大会とはあまりにも対照的だった。 区間賞7名、区間2位3名という無類の強さを見せた3連覇を果たした順大。黄金期真っただ中を印象づける大会だった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部