中山秀征(56歳)“生ぬるい”と評されて30年「何も考えず遊んでいるだけに見えるなら、ある意味本望」
「中山秀征的才能」とは?
――ナンシー関さんは最終的にその“生ぬるさ”のなかで活躍する中山さんを「中山秀征的才能」と結論づけました。「中山秀征的才能」とは何だと思いますか? 中山:周囲の変化を受け入れつつ 、スタンスや立ち位置は変えないということかな。
僕はロープワークスタイル
――スタンスとは? 中山:僕はプロレスでいうロープワークスタイルなんだよね。自分からロープに向かって走っていって、当たって、そのバウンドを利用して戻ってきて、受け身を取る。 その時「受け身の美学」があってね。時間をどう使って、どう強さや面白さを見せるか。そして終わった時に、どういう印象を残せるかということを常に考えてやってきたと思う。それは40年ブレていない。
テレビ界にいる「近所のお兄ちゃん」
――そういえば中山さんは肩書を「タレント」ではなく「テレビタレント」と名乗りますね。 中山:僕の解釈でテレビタレントは、テレビ出演をメインの商いとするタレント。 テレビでは、僕は本当に共演する女の人に育てられたと思う。(兵藤)ゆき姐、山田邦子さん、飯島直子さん、松本明子さん、麻木久仁子さん、飯島愛さん……。しかも、世代関係なく全員「ヒデちゃん」って呼ぶんですよね。『THE夜もヒッパレ』のレギュラーだった安室(奈美恵)さんも最初から「ヒデちゃん」。なんか“近所のお兄ちゃん”ぐらいの感覚なんだよね、みんな。 ――“近所のお兄さん”のようなお茶の間的な親しみやすさと安心感が、中山さんがテレビで求められる秘訣かなと思います。とはいえ、今テレビ離れが叫ばれるのも事実。テレビタレントに求められるものは? 中山:テレビを商いとしている人間が、「テレビがつまんない」って言っちゃってるからダメなんだよね。だってスキルだってポテンシャルだって、昔より今のほうがよっぽどいいんだよ。 「今はコンプライアンスが~」って、何のこと言ってんの? 何のテレビと比べてんの? っていう話だよね。裸で走り回るようなことができないのはそもそも当たり前だろって。そうじゃなくて面白いことできるでしょ、できることを考えようよっていうことだよね。テレビの役割は絶対にある。だから僕は諦めない。考えることも、挑戦も。