今夏にもオープン 話題の虎ノ門ヒルズとは
日本一の高層ビル「あべのハルカス」(高さ300メートル)が先日、大阪にオープンしたばかりだが、東京にも新しいランドマークとなる「虎ノ門ヒルズ」がオープンを控えている。虎ノ門ヒルズとは、東京都が施行し、森ビルが建築を進める再開発ビルで、その名の通り、東京・虎ノ門地区に建設される。高層ビルの地下には、かつて「幻のマッカーサー道路」と呼ばれた環状2号線が新しく開通するなど、建物だけでなく、都市の交通インフラとの一体事業として注目を集めている。
まず、象徴的なのが、高さだろう。中小規模のビルが密集する虎ノ門地区において、天に届くかのごとくそびえるタワーは、まさに壮観。高さ247メートルは2007年にオープンした東京ミッドタウンに1メートル及ばないものの、都内で2番目の高さとなる。地上52階地下5階建て、延べ床面積は24万4360平方米で商業施設、オフィス、ホテル、住宅、カンファレンスが入る。 47階~52階には、日本初進出となるハイアットホテルズの高級ホテル「アンダーズ 東京」が入り、52階のチャペルは都内で最も高い場所にあるチャペルとなる。 高さ、施設だけでなく、建築物としても注目を集めている。高層ビルの地下には、環状2号線本線がトンネルとして貫通。道路建設とビル建設、という似て非なる技術を融合して実現させた技術大国日本の真骨頂とも言えるもので、トンネル内の振動や騒音などの影響が高層ビルに及ばないよう設計されている。また、タワーには3種類の制振装置を適材適所に設置し、耐震性や快適性も考慮されている。 さらに、この環状2号線は、念願の道路だった。「幻のマッカーサー道路」と呼ばれ、戦後、まもなく決定された都市計画に盛り込まれながら、土地買収などさまざまな課題があり、60年以上も実現されなかった。今回、道路の上下空間にも建物が建築できる立体道路制度の活用によって、道路整備と再開発の一体事業として実現。長年の念願が実を結ぶこととなる。都心を通る大動脈として、都心部の渋滞緩和も期待されている。