【比較インプレ】カワサキ「Z H2 SE」VSトライアンフ「ロケット 3 GT」スポーツ走行性能をチェック
まったく異なるスポーツ感覚は甲乙つけがたし!
とんでもないパワーを秘めたモンスターは、本来ならボクごときのライダーがどうこうできるシロモノじゃない。しかし、両車とも見事に調教されているので、峠道でもその片鱗を味わうことができる。 【写真はこちら】「Z H2 SE」と「ロケット 3 GT」の走行シーン ロケット3はホイールベースが長く車両重量もあるため、一見すると機敏な挙動は期待できなさそうだが、実際は想像以上に止まるし曲がる。そりゃ一般的な大型バイクと同じとはいかないが、この巨体がグイ~ンと曲がっていく感覚は他車では味わえない。 図太いトルクでグリグリとリアタイヤが路面を押し出す感覚は「モンスターを操ってるぜ!」という気分に浸れる。これでステップ位置がもう少し手前だったらもっと操作感を楽しめるんだけど。ポジションは本当に大事。 一方、スーチャーサウンドを響かせるZ H2の挙動はモンスターと思えないほどシャープ。こちらの車重も決して軽くはないが、過給機エンジンならではの二次曲線的に盛り上がっていくパワーフィールのおかげで、羽が生えたかのような加速をする。ネイキッドポジションは車体コントロールしやすく、ねらったラインを素直にトレース。スムーズに立ち上がると、次のコーナーまでワープするかのようにダッシュ。完全に異次元の加速だ。「ホントにスーチャーはスゲ~なっ!」 モンスターで峠を走ると常に緊張感が伴う。制御されているとはいえ雑に操作するとどうなるかわからないからだ。そんなヒリヒリ感が味わえる2台のベクトルはまったく異なる。怒涛のトルクフィールか、二次曲線的な吹け上がり感か。どっちも突き抜けすぎだっ!
横田和彦