ガザ北部唯一の病院、イスラエル軍の急襲で閉鎖 院長ら拘束
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区北部で唯一稼働していた主要医療機関、ベイトラヒヤのカマル・アドワン病院がイスラエル軍の急襲を受けて閉鎖され、サフィヤ院長や職員らが拘束された。寒空の下で患者らが衣服を脱がされたとの報告もある。 【画像】カマル・アドワン病院の閉鎖を受けて、別の病院に搬送される患者 世界保健機関(WHO)によると、病院に残っていた重体者を含む患者と看護、医療スタッフは近くにある別の病院に移送され、院内にはだれもいなくなった。移送先の病院はすでに破壊され、稼働できない状態とされる。 院長や職員の所在は明らかでない。 カマル・アドワン病院はこの数カ月間、たびたびイスラエル軍の攻撃を受けてきた。 イスラエル軍は28日、院長を「イスラム組織ハマスの工作員」とみて拘束したことを認めた。同病院が「ハマスのテロ拠点」として使われていたと主張し、一帯でハマスや武装組織「イスラム聖戦」の「テロリスト」少なくとも240人を拘束したと発表した。 これに対してハマスは28日、国連や関連国際機関の即時介入を要請。現状を確認するために国際監視団を派遣するよう求めた。 院長は27日、SNSへの投稿で、病院がイスラエル軍に包囲され、全員退去を命じられたと報告していた。 看護師らの話によると、スタッフと患者らは屋外に集合するよう指示された。男女に分かれてそれぞれ衣服を脱げと命じられ、拒否した者は殴られたという。 イスラエル軍はCNNの取材に対し、「テロ容疑者の拘束、逮捕や身体検査は国際法に沿って実施された」と説明した。 看護師らはまた、イスラエル軍の攻撃後に院内で大規模な火災が発生し、患者1人が死亡したと話している。一方、イスラエル軍は「無人の建物での小規模な火災」で、攻撃が原因ではないと主張した。