<わたしたちと音楽 Vol.40>ゆりやんレトリィバァ 自分が面白いと思うことを信じて、世界へ羽ばたく
幼い頃から夢見たハリウッドスターへの道
――2019年には、米オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出演したことも話題になりました。2024年中にはアメリカ進出が決まっていますが、いつから計画していたんですか。 ゆりやんレトリィバァ:10年くらい前から具体的にアメリカ進出を視野に入れて、会社にもそう伝えて準備をしてきました。アメリカに行きたいと思ったきっかけは、小学生のときに初めて観た映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。不思議と「私、大人になったらこの人たちに会える感じがする」と思っていたんです。中学生の頃にもう一度観返して、改めてマイケル・J・フォックスが大好きになって、いつか英語を話せるようになってアメリカで映画の仕事をしたいという気持ちが芽生えました。でも先に芸人になりたいという夢を持っていたので、そのまま芸人になる道を選んだんです。実際に芸人として活動し始めてからは、本当にいろいろなことに挑戦させてもらえて。今年配信予定のNetflixドラマ『極悪女王』に主演したり、映画監督にも挑戦できるようになるなど、コントをやるだけが芸人の仕事じゃないんだとわかって、「アメリカに行く夢を諦めなくて良いんだ」と思うようになったんです。 ――アメリカに行って、どんなことをやりたいのでしょうか。 ゆりやんレトリィバァ:ハリウッドスターになりたいんです。日本で幅広く活動できたように、アメリカでもまずはスタンドアップコメディから挑戦して、活動の幅を広げていきたいですね。アメリカでも日本でやってきたように自分が面白いと思うことをやってウケたいと思っているのですが、そのためにも国の背景や文化からノリを掴まないといけないので、まずはそこからです。
腹立つことも、悔しいことも、全て“芸の肥やし”に
――本当にいろいろなことに挑戦していますね! 最初に憧れたお笑い芸人になる夢を叶えた今、活動していて面白いと感じるのはどんな瞬間ですか。 ゆりやんレトリィバァ:全てが面白いですね。もちろん、お客さんに笑ってもらえると嬉しい! あとは、自分のことを何でも発表できるのが楽しいんですよ。生きていて腹立つこととか、悔しいことってあるじゃないですか。そのままにしておくとしんどいけれど、芸人だからコントにして笑い飛ばしてしまえる。言いたいことを言えるし、なりたいものになれる。 ――何かあっても全て、“芸の肥やし”になるんですね。 ゆりやんレトリィバァ:そうそう。私の尊敬している先輩の1人である、藤崎マーケットのトキさんの話なんですけれど、「仮想通貨で失敗して朝目が覚めたらたくさんのお金を失っていた」という壮絶なことがあっても、トキさんは「おもろ……」と言っていて。何があっても面白いと受け止められるのって人間味もあるし、すごく強いなと思ったんです。みなさんも何か腹立つことがあったら、ネタやリリックにしてみるのがお勧めです。誰にも見せなくても、モノマネしてみたり……ちょっとスッとすると思いますよ。