人気急上昇の日本プロバスケットボール、NBAに次ぐ世界2位目指す
10年にベック氏がトヨタ自動車のチームの後任ヘッドコーチに就任した時、最初に電話をかけた選手の1人がギブス選手だった。同チーム、アルバルク東京はリーグ6位に終わっていたが、この結果はオーナーのトヨタにとっては十分ではなかった。「トヨタは負けず嫌いだ」とベック氏は語る。
Bリーグの首脳陣の目はしっかりと成長を見据えている。26-27年シーズンに、欧州のようにクラブが2部リーグに降格される可能性がある現在のモデルではなく、NBAのようにクラブが永続的にリーグに所属する構造に移行する。また、各チームの金銭的な要件を引き上げ、より大規模なスタジアムと観客動員数の増加を義務付けるほか、より多くの外国人選手を受け入れる。
同リーグの島田チェアマンは、こうした措置によって、トップクラブが収入を30億円以上に増加させることができるとの見通しを示した。これは中国バスケットボール協会(CBA)を上回り、欧州のユーロリーグの上位5クラブに並ぶ水準だ。
同氏は、10年後ぐらいに世界中のバスケットボール関係者が集まり、NBAの次に大きいリーグはどこかという話になった時、「大半の人たちにBリーグだろうと言ってもらえるような状況になるイメージを持っている」と説明。「ビジネスサイドはもう世界で2位になったと言ってもいいんじゃないか」とする一方で、競技力の点では「2030年ぐらいをゴールにしたい」と述べた。
今後の課題
Bリーグは、より自由に出費を行う組織と競争して優秀な選手を獲得するのに苦戦するかもしれない。日本のチームが収支トントンか小幅赤字で運営される傾向があるのに対し、海外のクラブはスター選手に年間200万-400万ドルを支払うため、大幅な赤字を出すことも珍しくない。
ギブス選手は日本滞在中に日本のバスケの進歩に感銘を受けたが、そんな同選手でさえ、Bリーグがその野心的な目標を達成できるかどうか懐疑的だ。「私見だが、ユーロリーグがNBAに次ぐ2位の存在であることはこれからも変わらないだろう。より競争も激しいし、いいプレーをすればより稼げるし、より良い契約も結べる」。