教職員時間外が減少 部活地域移行成果か 茨城県教委
茨城県教育委員会は28日までに、県内公立学校教職員の時間外在校等時間について、2024年度上半期(4~9月)の平均時間を発表した。昨年度の上半期と比べ、全校種で減少し、県教委は「部活動の地域移行や各種取り組みの成果が表れている」と分析している。 時間外在校等時間を校種別で見ると、小学校は昨年度比で1時間4分減の30時間26分、中学校は同3時間11分減の37時間56分、高校は同2時間49分減の23時間27分、特別支援学校では同1時間37分減の12時間31分で、県内全ての校種で減少した。 特に削減幅が大きい中学校では部活動の地域移行による影響が大きいとみられる。本年度、県内で地域移行に取り組むのは計36市町村ある。部活動が特に活発な5月の平均時間外在校等時間の削減幅を見ると、地域移行を導入済みの市町村は本年度、22年度比で7時間54分減だった。一方、未導入の市町村では同56分減にとどまり、導入の有無で大きな差があることが分かった。 24年度から茨城県は、スポーツ庁により地域移行の重点地域に指定されている。県教委は、先導的に取り組む市町村の事例などを県内外に発信し、共有を図る方針。時間外在校等時間が全校種で減少した理由については、地域移行のほか、ICT化の推進、勤怠管理支援システムの導入、時間外在校等時間が月当たり80時間超の教職員に対する面談・助言指導など、勤務時間の管理に注力したことを挙げた。 今後は、長時間勤務の解消などを目指す現役の教職員らでつくる「働き方改革ブレイクスルー会議」で出た意見を基に、改革を推進していく考えだ。 県教委は「引き続き、業務の見直しなどに取り組んでいく」としている。
茨城新聞社