マクラーレン、メルセデスとのパワーユニット供給契約延長は簡単な決断だった? チーム代表語る「ハイレベルな継続性と安定性を確保できた」
マクラーレンは、メルセデスとのパワーユニット(PU)供給契約を2030年まで延長することを発表した。チーム代表のアンドレア・ステラは、この決断を下すのは、至って簡単なことだったと説明した。 【ハイライト】F1 2023最終戦アブダビGP 決勝 マクラーレンは2021年からメルセデスPUの使用をスタート。それ以前はルノーやホンダのPUを使い、苦戦してきた。2021年には大波乱となったイタリアGPでダニエル・リカルドの手により優勝を手にしたものの、それ以前の勝利となると、2012年まで遡らなければならない。 トップチーム返り咲きを目指す上では、ワークスPUを手にすることが近道になるはず。そんな中、平川亮をリザーブドライバーに起用するなど、トヨタと関係が近づいているのではないかという声もあった。しかし結局マクラーレンは、現在に引き続きメルセデスのPUを使い続けることを決めた。 「現在進行中のコラボレーションに、とても満足している。そのため、この決断を下すのはとても簡単だった」 そうステラ代表は語る。 「彼らは今年のチームの進歩においても、間違いなく貢献してくれたと言わざるを得ない」 「しかし何よりも、技術的な観点から得られた安心感、運用の基準、我々が目にしたモノがどれだけしっかりしているのか、そして2026年に向けて何が危機的な状況にあるのかということを調べたところ、この決断を下すのはとても簡単だった」 「したがって、今後に向けてこのレベルの継続性と安定性を得られることを、ただただ嬉しく思う」 ステラが代表に就任して以来、組織改革が断行されており、新たな人材も多数加入している。また、風洞をはじめとした施設面の拡充も進められている。そんな中でメルセデスとのPU供給契約を延長したことは、2026年に向けて必要としていた最後のピースを埋めたことになるのかと尋ねると、ステラ代表は次のように語った。 「そんなに簡単には言えないね。それは、手にしておかなければいけない要素のひとつだ。必要条件であって、十分ではない」 「チャンピオンを狙うためには、シャシー側ですべきことがかなりたくさんある」 「パワーユニットの面では、今後何年も競争力を維持できると思うので、今回の決断を下した。しかし、シャシーに関してはやるべきことがたくさんある」 さらにステラ代表は、次のように続けた。 「今年我々は達成したことは重要だ。しかし依然として、まだ数戦に関してはマシンを開発し切れていない」 「一部のマシンにアップグレードが施されると、我々の競争力が数レース前ほど良くはないという状況も目にしてきた。これは、信じられないほど競争の激しいビジネスなんだ」
Filip Cleeren
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