【解説】命に関わる…?「パンケーキ症候群」 粉にダニが侵入… 加熱してもダメ・密閉でも“検出”
日テレNEWS
ホットケーキミックスやお好み焼き粉など小麦粉と調味料などが混ざった商品があります。使い切れずに自宅に残っている人も多いのではないでしょうか。こうした粉類は保存の仕方次第では、「パンケーキ症候群」を引き起こすおそれがあります。命に関わる症状が出ることもあるといい、特に湿度が高く、暑いこの時期は注意が必要です。 ●原因は「ダニ」 加熱してもダメ ●余った粉の保存方法 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■「パンケーキ症候群」ダニが粉に侵入…食べてアレルギー症状 死骸にも原因物質が
「パンケーキ症候群」とはパンケーキや、お好み焼きなどを食べた後にアレルギー症状が出ることです。小麦のアレルギーというわけではなく、使われた粉の中に侵入した「ダニ」が原因です。 寝具などにいるものと同じ種類のダニがホットケーキミックスなどの「ミックス粉」を好むといいます。こうした粉類を一度で使い切れなかった時に、しっかり密閉できていないことなどによりダニが入りこみ、そこで繁殖するということです。 そのダニが入った粉で調理したものを食べ、ダニアレルギーの症状が引き起こされた状態がパンケーキ症候群です。加熱で発症を防ぐことができないのが特徴です。 済生会野江病院・呼吸器内科の松本健副部長によると、加熱調理でダニ自体は死にますが、死骸の中にアレルギーの原因物質が残っているので、それを食べたら症状が出てしまうということです。 一度に大量の原因物質を口から摂取すると、急性のアレルギー反応が出る「アナフィラキシー」を引き起こすことが多いといいます。具体的には、じんましん・浮腫(むくみ)・腹痛・下痢に、呼吸困難・意識障害と命の危険もあります。 ほとんどが、食べた後30分以内に発症しているそうです。過去には、38歳の男性が自家製のお好み焼きを食べている最中から呼吸困難などが起きて、救急搬送された事例があるといいます。 問診で、開封後に常温で6か月以上たった市販のお好み焼き粉を使ったことが判明しました。ダニによるアナフィラキシーを疑って粉を調べた結果、多数の「コナヒョウヒダニ」が検出されたということです。 また、男性はダニやハウスダストによるアレルギー性鼻炎の既往歴もあったといいます。