30歳代~60歳代の年代別「貯蓄ゼロ・貯蓄2000万円以上」の割合を比較してみた
30歳代~60歳代「貯蓄ゼロ・貯蓄2000万円以上」の割合は?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯・二人以上世帯それぞれの、「貯蓄ゼロ・貯蓄2000万円以上」の割合は下記のとおりです。 【単身世帯 30歳代~60歳代の貯蓄ゼロの割合】 ・30歳代:34.0% ・40歳代:40.4% ・50歳代:38.3% ・60歳代:33.3% 【単身世帯 30歳代~60歳代の貯蓄2000万円以上の割合】 ・30歳代:7.1% ・40歳代:8.6% ・50歳代:13.7% ・60歳代:23.1% 【二人以上世帯 30歳代~60歳代の貯蓄ゼロの割合】 ・30歳代:28.4% ・40歳代:26.8% ・50歳代:27.4% ・60歳代:21.0% 【二人以上世帯 30歳代~60歳代の貯蓄2000万円以上の割合】 ・30歳代:6.6% ・40歳代:11.8% ・50歳代:16.6% ・60歳代:30.0% 貯蓄ゼロの割合を単身世帯と二人以上世帯で比較すると、単身世帯のほうが全体的に高い傾向にあり、60歳代でも3世帯に1世帯の単身世帯が貯蓄ゼロという結果に。 一方、貯蓄2000万円以上の割合を見ると、単身世帯・二人以上世帯ともに、年齢が上がるにつれて増加傾向にあります。 特に60歳代では、単身世帯で23.1%、二人以上世帯で30.0%と最も高くなっており、これは、長年の資産形成や定年時の退職金などが影響していると考えられます。 「貯蓄ゼロと貯蓄2000万円以上」を比較すると、どちらも全体に占める割合が大きく、60歳代においては単身世帯・二人以上世帯ともに、約50%を貯蓄ゼロ・貯蓄2000万円以上が占めています。 上記から、シニア世代においては、「貯蓄がない人」と「貯蓄が十分にある人」との間で二極化が深刻化している現状が浮き彫りになっています。
貯蓄ゼロでも老後は問題なく生活できる?
前章にて、シニア世代では貯蓄の二極化傾向が顕著であり、2~3割の世帯が貯蓄ゼロの状態で老後を迎えていることがわかりました。 近年、老後2000万円問題が大きな話題となっていますが、貯蓄2000万円以上の割合が2~3割にとどまっていることから、「貯蓄ゼロでも老後は問題なく生活できるのでは」と疑問に感じた方もいるかもしれません。 結論からお伝えすると、老後の生活費が老後の収入を超えなければ、貯蓄がなくても日常生活を送れる可能性もあります。 しかし、言い換えれば、老後の収入で老後の生活費を賄いきれない場合は、貯蓄から補填するといった手段が必要となるでしょう。 参考までに、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金の平均月額は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体の平均月額:5万6316円 ・男性の平均月額:5万8798円 ・女性の平均月額:5万4426円 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体の平均月額:14万3973円 ・男性の平均月額:16万3875円 ・女性の平均月額:10万4878円 上記はあくまでも平均額となっていますが、平均額をみて「これだけでは老後の生活費が不安」と感じる方は、今のうちから老後資金の準備をしておけると安心です。 なお、これは「老後の生活費」のみを想定した場合であり、実際には、医療費や介護費、葬儀費用といった予測困難な大きな支出も考えられます。 さらに、将来の経済状況の変化や物価上昇なども考慮する必要があります。 そのため、安心した老後生活を送るためには、可能な限り老後のための貯蓄を行っておくことが望ましいでしょう。 ご自身のより詳細な年金見込額を確認したい場合は、「ねんきんネット」または「ねんきん定期便」でチェックしてみてください。