16得点石川真佑、15得点古賀紗理那が決めた!“負けられない”韓国戦完勝 指揮官は勝負所を評価…バレーボールNL
◆バレーボール ネーションズリーグ女子福岡大会 日本 3―0 韓国(12日、北九州市西日本総合展示場) ホームでの1次リーグ第3週で、パリ五輪の出場権獲得を目指す日本は、因縁の相手・韓国を3―0で下し、7勝目(2敗)を挙げた。負けられない一戦で完勝し、6大会連続の五輪出場への道に盤石を敷いた。石川真佑(ノヴァーラ)がチーム最多16得点、古賀紗理那主将(NEC)は15得点と両エースが勝負どころで力を発揮。林琴奈(JT)も14得点で続いた。次戦は13日に五輪切符を争うカナダと対戦する。 パリ五輪出場権獲得に向け、負けられない一戦を制した。古賀、石川の気迫が日本を快勝に導いた。セットカウント2―0の最終セット(S)は粘る韓国に一時リードを許したが、17―20から挽回し、22―22で石川がライトからクロスに決めた。マッチポイントではセッター・岩崎が連続で古賀に託し、高い打点からの強打で締めくくった。 敗れれば大きくポイントを失い、世界ランクを落とす可能性があった試合で、日本はダブルエースの活躍で韓国に快勝。15得点の古賀主将は「本当に大切な試合で負けるとポイントもごっそり持ってかれる。3―0で勝てて良かった」と安どした。石川も「最後は決めきろうとプレーした」と歓喜の輪に加わった。 7612人の大声援に乗せられ、重圧を感じずに入った。第1Sからサーブミスが続いた日本だが、古賀のバックアタックで勢いをつけ、セットポイントから石川のライトからのスパイク。第2Sも21―14で古賀が一枚でブロックし、セットを連取した。 だが、第3Sは東京五輪4位の韓国の粘りに遭い、リードを許した。出場権を逃した昨秋の五輪予選は王手をかけた状況でトルコ、ブラジルに連敗。真鍋政義監督(60)は「ブラジルより執念、気迫が足りない」と指摘した。日本の課題は「20点以降」の勝負所だった。この日は要所で「決め切る」と古賀、石川の両エースが腹をくくった。20―20から石川のレフトからのスパイクで流れを作ると、古賀はブロックの上から力いっぱいスパイクをたたき込み、マッチポイントにつなげ、ホームで白星発進へ導いた。「勝負強さは、何回も言ってきた。練習の成果が出た」と指揮官も成長に実感を込めた。 21年東京五輪1次リーグで2―3と敗れた因縁の相手にホームで雪辱。世界ランクでアジア枠を争う中国を上回る“圏内”を死守した。13日はパリ五輪切符を争うカナダ戦。出場国とまだ切符を手にしていないアジア、アフリカの最上位枠以外のランク上位3か国入りが最低条件の日本は、試合後の時点で同4番手のカナダとの直接対決に勝てば一気に突き放す。「大切な試合だと分かっている。タフな試合が続くけど、集中して戦いたい」と古賀主将。石川も「皆さんの前で五輪切符をつかみます」と力強く声を張った。(宮下 京香) 〇…第3セットでサービスエースを決めるなど石川と古賀の2枚看板に続く14得点の林は「たくさんの観客の前で試合ができるのはうれしい。感謝しています」とホームの大声援に応えた。次戦は五輪切符に向け、大事なカナダ戦。攻撃だけでなくレシーブも得意な24歳は「守備で粘り強く対応して、明日も勝っていけるように頑張りたい」と腕をまくった。 ◆日本女子のパリ五輪への道 五輪出場12枠のうち、昨年五輪予選で出場権を獲得したトルコ、米国、ブラジル、セルビア、ポーランド、ドミニカ共和国と、開催国・フランスの7チームが決定。残る5枠は16チームで争うNL1次リーグ終了時の6月17日付の世界ランクで決定。アジア・オセアニア、アフリカ大陸はまだ出場権を得ておらず、日本はアジア最上位となるか、すでに出場を決めたチームなどを除く上位3か国に入ることが条件。
報知新聞社