好意を向けられると吐き気…「蛙化現象」という言葉に救われてきた筆者が、昨今の「蛙化現象カジュアル化」に思うこと
「恋愛体質」の人のすごいところ
恋愛体質の人っているじゃないですか。ひっきりなしに恋して恋人を切らさないタイプの人。恋愛体質の人ってすごいなって思うことがあって、一つは ・簡単に人を好きになれること私は、生きてきた中で、(恋愛文脈で)人を好きになったことって、まぁほぼほぼないんです。よほどのことがない限り、人を好きになんてならない。よく、街中で「あの人かっこいい」なんていう友人を見て、街で人を見てそんなことを思ったことがないので、なんでそんなに簡単に、他人に「いいな」とか思えるのかがすごく不思議で。 でも、恋愛体質の人のもっとすごいところは、 ・人に好意を向けられることへの耐性があることだと思うんですよね。本当になんで人から好意を向けられることに嫌悪感や拒否反応が出ないのかが理解ができなくて。 私にとって、好意って、「執着」みたいなニュアンスがあって、相手と自分の境界を踏み越えて、自分の絶対に触れられたくないテリトリーに侵入されるような耐えがたい居心地の悪さを伴うものなんです。
「モテて気分がいい」という気持ちが全くわからない
「モテたい」という願望も本当に理解できません。不特定多数の人から好意を向けられるなんて、想像しただけで気持ち悪くてどうにかなってしまいそうです。モテる友達に、「モテるってどんな感じ?」と聞いたら、「いい気分がする」と言っていて、「す、すげえ……」と思いましたね。 「好きじゃない人から好意を向けられること」に関して言うと、女性の方が嫌悪感を抱く人が多い印象です。強引なアプローチや、性的に見られること、恋愛対象として意識されることは、しんどいと感じる人も少なくありません。 蛙化現象も、女性の方が陥りやすい印象です。理由は明確にはわかりませんが、恋愛感情を向けられたり、性的な目で見られることへの抵抗感が、女性の方が感じやすいからなのかな? とも思います。
唯一救ってくれる言葉が、陳腐化してしまった
好きじゃない人から好意を向けられることが、不快・怖いという人は多いと思いますが、好きな人から好意を向けられたのに不快・怖いって感じてしまうことって、あくまで一般的にはあまり多くないのかなと思います。 蛙化現象ならぬ「なんなら好きだけど、相手が好意を示して来た瞬間吐きそうになる現象」は、筆者にとってはめちゃくちゃ深刻な問題なんです。 嫌悪感や恐怖感はもちろん、吐き気がする、固形物を受け付けなくなる、みたいな強い身体症状を伴うものなんです。もうこれ、一生両想いになれない呪い、じゃないですか。周囲に相談すると、「なにそれ(笑)、好きな人から好きって言われたら嬉しいものだよ、“普通”」って言われて、私っておかしいんだ、異常なんだって、どんどん思い詰めていきました。 この現象を世の概念で言うなら、「蛙化」という言葉以外になく、筆者にとっては蛙化現象という言葉は「私だけじゃない」って思える一筋の光だったんです。それが、急に流行語になり、意味が変わって「好きな人のちょっとしたことで幻滅する」みたいなライトな感じになって、言葉を奪われたようで、すごくショックだったんですよね。