日産V6でダカール・ラリー制覇を目論むルーマニア 低価格車ブランド「ダチア」が初参戦
日産の3.0L V6エンジンを搭載
ダチアUKのブランドディレクターであるルーク・ブロード氏によると、参戦理由は簡単に言えば「クールだから」だという。 また、予算重視のユーザー向けの頑丈なアウトドア車という新しいブランド戦略を採用し、「人間的冒険」という理念を掲げるダチアにとって、壮大なラリーは最適と言える。 「目標は勝利すること」とブロード氏は言う。「しかし、同時に、市販車に影響を与える革新技術を開発するための屋外試験場でもあり、持続可能燃料の実験でもある」 その目的のため、サンドライダーはサウジアラムコ社が供給する合成燃料で走る。サンドライダーは特注のデザインで、ダチアの真骨頂であると技術責任者のフィリップ・ドゥナビン氏は語る。デザイナーがコンセプトとスタイリングに携わり、プロドライブ社とのコラボレーションはスムーズに進んだという。 サンドライダーは頑丈な鋼管シャシーを中心に設計されており、カーボンファイバー製ボディと日産の3.0L V6エンジンを載せ、特注の4x4トランスミッションを介して、BFグッドリッチ製オールテレーンタイヤを駆動する。 車両全体を見渡すと、リアのダブルスプリングとショックアブソーバーの並列配置が目立つが、これが合理的なアドバンテージを与えている。「ダンパーシステムが2つあれば、片方を失ってもクルマを走らせる手段が残っている」と、ドゥナビン氏は言う。 コックピットの後方にある大型ダクトに収納されたスペアホイールは、素早く取り外すことができる。ステージ上ではドライバーとナビゲーターは自分たちだけで作業を行わなければならないため、プロドライブ社はドライバーたちにあらゆる修理方法を徹底的に教え込んだ。 チームメンバーが物理的に彼らを手助けすることは禁じられている。それでも、サポートは常に手の届くところにある。3台のサンドライダーは、技術的バックアップとして参加するT5レーストラックに、約40~50分間隔で追いかけられることになる。