「稀有な美術館の存在を伝えたい」 「無言館」共同館主に就任した内田也哉子さん
先の大戦で亡くなった画学生の絵画などを収蔵し展示している長野県上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」の共同館主に就任した文筆家の内田也哉子さん(48)が14日、東京都千代田区の立命館東京キャンパスで記者会見を行った。内田さんは「戦争を知らない者として、けれどいまなお戦争が絶えない世界に生きる一人として、無言館という希有な美術館の存在を皆さまに精いっぱいお伝えできたらと思う」とあいさつした。 窪島誠一郎共同館主(82)とともに館主業務を担う。窪島さんは「必ずや若い世代に無言館がつながっていく戦力になると信じ願っている」と喜びを語った。 無言館は、窪島さんが平成9年に開館した私立美術館。戦没画学生の絵など約700点を収蔵し、現在約130人の作品約150点を展示している。遺族から預かった作品を次の時代にどのように引き継いでいくかが課題だった。 窪島さんは、これまで無言館と関係のあった学校法人立命館(京都市)に支援を求めつつ、母親の樹木希林さんと母子2代にわたって無言館に理解のあった内田さんに館主就任を依頼。内田さんは「大きすぎる役割と責任にたじろいでいる」としながらも受諾。立命館が理事の派遣などを通じて無言館の運営をバックアップすることになった。(石毛紀行)