田畑氏説明「疑問残る」が大勢 自民県連で役員会 党本部へ処分要請も検討
●不適切な党員登録問題 自民党の田畑裕明衆院議員(富山1区)の事務所で不適切な党員登録があった問題をめぐり、党富山県連は3日、県議事堂で開いた役員会で対応を協議し、田畑氏のこれまでの説明に対し「疑問が残る」との声が大勢を占めた。国会議員を処分する権限を持つ党本部に、県連として意見を集約し、何らかの処分を要請する案も検討しているが、決定には至らなかった。 【図】田畑氏事務所の不適切党員登録 会合は11月29日に田畑氏が会見を受け、非公開で開かれた。終了後に取材に応じた宮本光明幹事長は、問題をめぐる田畑氏と支援者のやりとりの音声データが一部で報道されたことに触れ「残念ながら(会見での)説明との整合性が、ストンと落ちていない」と述べた。客観的な証拠はなく、党員や県民の納得を得るのは難しいとの見解を示した。 森山裕党幹事長が県連の意見を聴取する考えを示したことについて、宮本氏は県連会長の橘慶一郎衆院議員と随時連絡を取っているとし、「必要なことがあれば県連会長が森山幹事長とすぐにでも会えると思っている」と話した。田畑氏本人から県連への説明については、国会議員らとも協議し、時期を決めたいとした。 会合では各市町村支部や職域支部に対し、同様の問題が起きないよう確認、点検するといった適切な取り組みを求めることを決めた。宮本氏は本人の了解を得ない党員登録や架空党員はあってはならないと強調した。 ●「活動しにくい」市連・中川氏懸念 出席した党富山市連の中川忠昭支部長は、この問題で田畑氏以外の人まで疑いの目を向けられるとし「党活動をしにくい状況が続くと予想される」と訴えた。 終了後、報道陣から、党本部への上申について考えを問われ、「そんなにまだ議論していない」と述べるにとどめた。市連の2日の執行部会でも田畑氏に対し「説明が不十分」との声が相次いだ。 田畑氏は11月29日の会見で、事務所が管理する党員701人のうち262人分が無断登録や架空登録だったと公表。これらの党員の党費は親族や父親が支払っていたと釈明し、親族が亡くなっているため架空登録の経緯などは不明とした。