『詐欺師として働いていただきます』闇バイトは特殊詐欺の実行役…追い込まれる若者描いた小説 <宮城>
「スウィンダラーハウス」の一部) 弁護士役)弁護士のアオキと申します。息子さんですが、実は取引先の女性社員とトラブルを起こしてしまいまして… 息子役)母さん、オレだけど…取引先の女の子妊娠させちゃって
根本さんは、『特殊詐欺』に関する書籍や犯罪に関わった人の裁判を傍聴した経験などをもとに、執筆にあたった。 小説の中では、被害者からキャッシュカードを受け取る「受け子」や電話をかける「かけ子」、メンバーを集める「リクルーター」の手口など『特殊詐欺』グループの構造が描かれている。 作家・根本聡一郎さん 「(犯罪組織は)高齢者はこんなにお金を持っているんだと。若者はこんなにお金がないんだと。だから高齢者から若者が少しぐらい金を取ったって何も問題がないと。むしろ再分配なんだみたいなことを、本当に理屈として使っている。実際に捕まった人もそういう話を受けて、確かにその通りだと思ってやった。悪くないと思ってやっている人もでてきている」
小説では、軽い気持ちで始めても、抜け出すことが難しい恐ろしさを描いている。 「スウィンダラーハウス」の一部) バイト)自分はもう案件受けられないので、連絡はいただかなくて… リクルーター)初めの面接の際、私に運転免許証を提出されたことは覚えていますか?あなたの個人情報は保存してあります。あなたの氏名、住所、顔写真は我々が完璧に把握しています。たとえばこの免許証の画像をSNSにさらして詐欺事件の犯人とお伝えすることも可能です
作家・根本聡一郎さん 「一度(特殊詐欺の)仕事をさせられたあとに、今度は強盗行ってきて。たたき(強盗)いってきてとなる。強盗で人を傷つけてしまう、死に至らせてしまう。実際にありましたけど、そうなると強盗殺人です。 強盗殺人は、無期懲役か死刑しかないんですよ。もう(刑務所から)出てこられない、それくらい重い犯罪になる可能性があるという認識を、たくさんの人が持つ必要がある」