万博のSNS発信伸び悩み、人気歌手やアイドル企画では急増 アジア太平洋研が調査
2025年大阪・関西万博の開幕まで半年を切る中、シンクタンクのアジア太平洋研究所(APIR)は27日、万博を運営する日本国際博覧会協会や万博パビリオンを巡るSNS(交流サイト)配信への関心度合の分析結果を公表した。万博の公式アカウントのフォロワー数などは一定数伸びているものの、人気歌手やアイドルとの共同企画を中心に注目を集めている状態が浮き彫りになった。APIRは「一層の万博の内容発信が不可欠」としている。 【表でみる】万博公式アカウントの閲覧数が伸びた主な事象 APIRはX(旧ツイッター)を対象に、主に今夏以降のデータを調査した。万博公式アカウントはフォロワー数が7月31日時点の約7万8千から11月15日時点で約8万9千に増えたほか、人気アニメ「機動戦士ガンダム」をテーマにしたパビリオンなど一部の民間パビリオンは伸びたが、多くはフォロワー数が数百程度にとどまった。海外館はフォロワー数が減った国もあった。 ただ、万博公式アカウントの閲覧数も多くは1日あたり数千で、歌手のAdoさんの開幕記念コンサート発表や、アイドルグループのメッセージ配信など、万博の展示とは関係が薄い企画で閲覧数が急増していた。 APIRは「万博のより具体的な内容を発信することが重要。関心がない人々にSNSの転送機能などを通じてアプローチする必要がある」としている。(黒川信雄)