「等身大の自分を評価してくれる大人の存在があったから続けられた」歌手志望、スカウトで芸人に…導き成長見守る野崎亮介と「はっぴちゃん。」
1年後にデビューし、しばらくは母親を交えて仕事内容を決めていた。野崎の心配をよそに、21年には関西演芸しゃべくり話芸大賞の予選で奨励賞を受賞。ABCテレビの情報番組「おはよう朝日です」のリポーターとしても顔が売れつつある。ネタ作りは今も苦手だが、先輩芸人に作ってもらい、「はっぴちゃん。をプロデュースして☆」と銘打ったライブを開く奇策を思いついた。来年1月12日には角座で2回目を行う。
底知れない力を秘める19歳。「将来は松竹芸能の看板娘に」と野崎は期待を込める。では、はっぴちゃん。にとって野崎の存在とは?
「オムライスのケチャップ、ですね」
野崎が渋い顔をする。
「もうちょっとええ例えあったやろ」「えー、なかったら食べられへんもん。おいしくないもん。あ、たこ焼きのソースみたいな? 絶対必要やろ、ソース!」――。
無邪気なはっぴちゃん。に、終始押され気味の野崎。まるで父娘の2人だった。(吉田清均)
オーディション、学園祭・・・「金の卵」発掘
吉本興業や松竹芸能、ワタナベエンターテインメントなどの事務所は芸人養成所を運営し、お笑いを志す人に門戸を開いている。だが、有望な人材が自ら養成所に入るとは限らない。オーディションを開いたり、スカウトがライブハウスを回ったりして金の卵を発掘することも少なくない。
元CA芸人、CRAZY COCOは、日本テレビ系の「女芸人No.1決定戦 THE W」にアマチュアで出場していたところを吉本の担当者にスカウトされた。女性タレントのヒコロヒーも、学生時代に出演した学園祭で松竹芸能の社員から声をかけられ、養成所に入った。
東京のイベント会社「K―PRO」は、誰でも参加できるお笑いライブ「ゲレロンステージ」を主催。終了後、見に来ていたスカウトから出演者の紹介を依頼されることもある。担当者は「誰が売れっ子になるかわからない時代。事務所も良い人材を常に探している」と話す。