「“相手を緊張させる”それがスターだから」秋元康の言葉に二宮和也も納得「やっぱり木村拓哉さんはすごかった」
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。今回のお客様は、秋元康さんと二宮和也さん。二宮さんが人知れず抱えていた“不安”とは?
◆秋元康「相手を緊張させるのがスター」
二宮:僕、共演者の人やスタッフの人たちとの出会いの運がすごくあると思っていて、そこまで気まずくなった撮影現場ってないんですよ。誰かが突出して怒っているとか、(現場から突然)いなくなるみたいなことがなくて。 秋元:だって、ニノのキャラクターは絶対に受け入れられるから(笑)。 二宮:(笑)。だから、例えば、ダブル主演みたいな形だけど“2人がまったく話さないほど仲が悪い”みたいな設定だとしたら、「現場でも話さないようにしたい」って相手に言われたら俺、どうしようと思って(笑)。 秋元:まぁ、そういう人もいるよね(笑)。でも、ニノは今年で41歳になるけど、これが50歳、60歳のベテランになっていったときに、このキャラクターでいけるかだよ。 二宮:(笑)。 秋元:例えば(樹木)希林さんの例を挙げると、同じシーンのリハーサルを3回やったとして、3回とも芝居を変えるわけよ。それで、監督を呼んで「どれが良かった?」って聞くんだって。希林さんは1番目がいいと思っているけど、わざと2つ目、3つ目は芝居を変えて、それを聞いて監督の実力を測るという……そういう伝説があってさ。 二宮:へぇ~。 秋元:そういうので俺が好きなのは、これも本当かどうかはわからないけど、松任谷由実さんが女性アーティストとの対談で、(女性アーティストから)「ユーミンさんの大ファンで、すごく緊張しました」って言われたときに、「緊張させるために何年かけていると思う?」って(言ったらしい)。美空ひばりさんもそうだけど、“相手を緊張させる”それがスターだからね。 二宮:でも本当にいますよね。「あれ?(会っただけで)汗が止まんない?」みたいな人。 秋元:美空ひばりさんなんて、コンサートとかでセンターピンがちょっとずれただけで、その照明の人が次の日から外されるぐらい厳しい方だったんだって。俺もプロデュースしたときに「10曲全部(レコーディングする)2週間前にください」って言われて。 その頃は(納期に)遅れまくっていたけれど、ちゃんと2週間前にそろえた。なぜかというと、あれだけ歌がうまい人が、その10曲を自宅で2週間かけて練習してくるわけ。だから、レコーディングのときはみんなピリピリなのよ。 二宮:それはありますよね。 秋元:わざとピリピリな空間をつくるわけ。つまり、相手を追い込むことによって、自分も追い込まれて良い仕事ができると。