新型コロナワクチン“秋接種”開始 どうする? “第9波”…「エリス」に効くの? 在庫ワクチン「8630万回分」廃棄…なぜこんなに?【#みんなのギモン】
そのためこれまでの接種では、最初に中国で見つかった「従来株」と変異株「BA系統」の2つのタイプに対応するワクチンが使われていました。 しかし20日からの「秋接種」では、使われるワクチンの種類が変わり、「XBB系統」に対応する“新しいワクチン”になりました。 厚生労働省によると、この新しいワクチンはこれまでのものよりも、ウイルスに対抗する「中和抗体」の値が高いことが報告されています。つまり、現在の主流のXBB系統に対して、発症や重症化の予防効果がより期待されるということで使われることになりました。 また、いま最も勢いがある変異株「エリス」も「XBB系統」の1つです。東京都の感染対策の専門家は「『エリス』にも効く可能性が高い」と話しています。
■ワクチン秋接種 どうしたらいい? いま打つメリットは?
それでも「今回、打つかどうか」とまだ迷っている方も多いと思います。そこで、今回のワクチンについて感染症・呼吸器疾患が専門の加藤哲朗医師(日比谷クリニック)に聞きました。 加藤医師は「これまでと同様にワクチンの接種は、任意ではあります」と前置きしたうえで、次の3点を挙げ現状を分析しました。 ◇副反応はこれまでのワクチンと基本的に変わらない ◇最後の接種から一定の時間が経っている人は効果が薄れている可能性がある ◇変異株「エリス」の感染が増えている 上記3点を総合的にみて「いま打つメリットは大きいのではないか」と話していました。 厚生労働省は、今回のワクチンについて、高齢者や基礎疾患のある人は「努力義務」としていて、自治体からも積極的に接種をすすめる対象としています。
■これまでのワクチン「約8630万回分」 順次廃棄へ
ところで、これまで使っていたワクチンは、どうなってしまうのでしょうか。 厚生労働省は19日、これまで保管してきた新型コロナのワクチンについて合計8630万回分を順次廃棄すると発表しました。“秋の接種”が始まるタイミングでの発表となりました。 「従来株ワクチン」は即廃棄、残りの「オミクロン株対応ワクチン」は有効期限が来たら廃棄すると発表しました。 その大きな理由は、さきほど触れたように20日から「XBB系統対応のワクチン」がすべての接種で使われることになったためです。これまで使っていた「従来株」や変異株である「オミクロン株対応」のワクチンを使う見込みがなくなったから、大量廃棄になったのです。 内訳は「従来株ワクチン」が約830万回分、「オミクロン株対応ワクチン」が約7800万回分です。