「失礼だな、純愛だよ」の乙骨憂太はなぜ「女たらしめ」と言われたのか?「劇場版 呪術廻戦 0」
「劇場版 呪術廻戦 0」で乙骨憂太(CV:緒方恵美)が里香に約束した「僕の全部をあげる」――これには乙骨の覚悟だけでなく、強さが込められていた。だからこそ乙骨は夏油傑(CV:櫻井孝宏)に「女たらし」と言われ「失礼だな、純愛だよ」と睨み返したのだ。 【映像】「女たらしめ」→「失礼だな、純愛だよ(85分30秒ごろ~) 現在配信中の「劇場版 呪術廻戦 0」は、シリーズ累計発行部数1億部を超える芥見下々氏の漫画「呪術廻戦」の前日譚にあたる「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」が原作。2021年12月に公開されると、全世界興行収入265億円の大ヒットを記録した。人間の負の感情から生まれる“呪い”とそれを呪術で祓う“呪術師”との闘いを描いた「呪術廻戦」はTVアニメ第1期が2020年10月から放送され、2023年7月~12月に放送されたアニメ第2期では原作でも人気の高い「懐玉・玉折」と「渋谷事変」のエピソードが描かれた。続編となる「死滅回游」の制作もすでに決定している。 「劇場版 呪術廻戦 0」のクライマックスである百鬼夜行の当日、新宿と京都にそれぞれ1000体もの呪霊が放たれ、呪術高専のメンバーがそれを迎え撃っていた。最強呪術師・五条悟は夏油の不在を怪しみ、彼の狙いに気づく。そしてすぐさまパンダと狗巻棘を乙骨と禪院真希のいる呪術高専へと送り飛ばした。 五条の予想通り、夏油は己の理想を実現させるため、乙骨に憑く特級過呪怨霊 祈本里香(CV:花澤香菜)を狙っていた。乙骨を守ろうとした高専メンバーは次々と夏油に倒されてしまう。自分を守るために傷ついた仲間たちの姿を目にした乙骨は、夏油に立ち向かう決意を固め、里香を完全顕現した。 夏油はまず呪霊を使って乙骨と里香の力量を測ろうとしたが、烏合の衆では相手にならないと判断し、直接戦いを挑んだ。夏油は乙骨と里香の息の合った連携攻撃をものともしない強さを見せ、乙骨が呪いを込めた刀さえ粉砕した。 「ダメじゃないか、急にそんな呪いを込めちゃ器が持たない。悟に教わらなかったかい? 呪いは少し……」と言いかけた夏油に対し、乙骨は黒閃を放ち、その顔面を捉えた。乙骨は、仲間と友達でいるため、自分が生きていて良いと思えるために夏油を倒すと改めて宣言する。 これに応じた夏油も全力で乙骨を倒すべく、特級仮想怨霊・化身玉藻前と、呪霊躁術で取り込んだ呪霊を一つにまとめ超高密度の呪力として放出する「極ノ番『うずまき』」を繰り出した。一方の乙骨は、里香に「いつも守ってくれてありがとう」「僕を好きになってくれてありがとう」と感謝を告げると、最後にもう一度力を貸してほしいと語りかけた。 「僕の未来も、心も体も、全部里香にあげる。これからは本当にずっと一緒だよ。愛してるよ里香、一緒に逝こう」とキスを交わし、乙骨は自身を生贄に呪力の制限を解除した。自分のために女性を口説き落としたようにも見える乙骨の言動に夏油は「女たらしめ!」と苦々しい顔を見せたが、乙骨は毅然と「失礼だな、純愛だよ」と言い返す。これは、自身のためではなく純粋に彼女を呪いから解放したいという思いによる行動だったからだろう。そしてそれはまた、里香の力をおそれ、里香に守られる存在だった乙骨が死を賭して共に戦う強さと覚悟を手に入れた証でもあった。 (C) 2021 「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 (C)芥見下々/集英社
ABEMA TIMES編集部