「きっかけは2歳を目前に旅立った息子だった」重い病気と闘う子どもたちをサポートする“シャイン・オン!キッズ”に迫る
小児がん患者の闘い
治療を終えた子どもたちに対してもサポートをしているシャイン・オン!キッズですが、その思いについても聞きました。 「小児がんの年間発症数は2000~2500人と言われ、今は医療の発達により5年生存率は8、9割と言われています。一方で、長期入院という経験のみならず、成長期に行われる治療により、小児がん経験者の6割は何らかの晩期合併症と呼ばれる症状を抱えて生きていると言われているのです。 深刻な症状がなくても『疲れやすい』という症状は治療を終えた多くの子どもたちが経験しており、精神面ではPTSDやトラウマ、身体面でも低身長や臓器の問題を抱えることがあります」 さらに、ホルモン異常によって妊娠がしづらいなどの課題や、発達期に長期入院をすることで社会との断絶を経験するため、コミュニケーションの問題を抱える場合もあるとのこと。そうした子どもたちは治療を終えて社会に復帰した際に、さまざまな困難と立ち向かうことになるのです。 小児がん経験者の家族からは「入院中もとても大変だけど、病院という環境のなか、ある意味守られていたが、退院後はそのセーフティーネットがない」との声も多く聞くそう。 子どもたち自身が周囲への理解を求めるなど、積極的に関わるケースもあります。しかし、理解するきっかけすら作れないことを何度も経験すると積極的に関わることを諦めてしまう子もいるようです。 とても大変な治療を乗り越えた子どもたちが取り残されることなく、社会の構成員として人生を歩んでいくためにも、退院後の支援が大切になってきます。 彼らの自己肯定感を高める機会をより多く作ることや、自分の将来について考える機会を提供していきたいと考えて活動しているのが”シャイン・オン!キッズ”です。 シャイン・オン!キッズの活動に参加した子どもたちからは「同じ悩みや経験をしている仲間と出会い、語り合うことができた」と感謝の言葉が多数寄せられているそう。