自民、会期中の旧文通費改革見送りへ 維新反発、規正法改正案に反対
自民党は17日、国会議員に月額100万円を支給する「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の改革を巡り、23日までの会期中の法改正を見送る方向で検討に入った。党幹部が明らかにした。一方、日本維新の会は17日、改革に向けた自民との党首間合意が反故(ほご)にされたと判断。自民の政治資金規正法改正案の参院政治改革特別委員会での採決で反対に回る方向で調整している。衆院の採決では賛成したが、自民との対決姿勢に転じた。 【時系列で見る】調査研究広報滞在費を巡る経過 参院特別委は18日、岸田文雄首相(自民総裁)が出席し質疑を実施する。自民は同日中に規正法改正案の採決を行い、特別委を通過させる日程を描いており、維新の賛同が得られなくても採決に踏み切る公算が大きい。一方、維新は首相に対する問責決議案を参院に提出することも検討する。 維新が態度を硬化させる引き金になったのは、17日の衆院決算行政監視委員会での首相の答弁だった。首相は、維新の藤田文武幹事長から今国会中に旧文通費改革の結論を得るよう迫られたが、期日への言及を避け「ゼロ回答」に終始した。 藤田氏は、首相と維新の馬場伸幸代表が旧文通費の使途公開などに向けた法整備について「今国会中」を念頭に合意していると主張し、「先送りになるようなことがあれば、もう大げんかだ」と強い表現で反発した。 自民、維新両党の合意文書は5月31日の党首会談で交わされた。これに先立ち両党間で調整した文案には、今国会中に結論を得るという趣旨の文言が入っていたが、最終的な合意文書には盛り込まれなかった。 馬場氏はその後の記者会見などで、自民側から「信用してほしい」と求められて削除に応じたと明かし、相手は「首相周辺」だったとしている。複数の関係者によると、交渉相手は首相側近でもある自民の木原誠二幹事長代理だった。首相側近の「約束」を信用して、維新は衆院採決では賛成に回った。