ビジネス文書で押さえておきたい「5つのポイント」(後編)フォーマットの活用で無駄な手間を省く【常識チェック】
【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#95 ビジネス文書編③ 前回は、ビジネス文書作成のポイントとして<1>目的を明確にする、<2>読み手を意識する、<3>構成を考えるの前半をお伝えしました。 【シリーズ初回はこちら】メール編(1)好印象を与える「4つのポイント」言葉の選び方で誤解を招くことも 今回は「構成を考える」の最後のステップ、「5W3H」を活用し、必要な情報を過不足なく伝える方法の解説から始めます。 ▼5つのポイント <3>構成を考える ③「5W3H」を意識する 「5W3H」とは、必要な情報を整理し、伝達の抜け漏れを防ぐための8つの基本要素です。 ●Who(誰が・誰に):関係者を明確にする ●What(何を):伝えたい内容を簡潔に記載する ●When(いつ):日時や期限を具体的に示す ●Where(どこで):場所や実施方法を明確にする ●Why(なぜ):目的や背景を説明する ●How(どのように):手順や進め方を説明する ●How much(いくらで):金額やコストを記載する ●How many(いくつ):具体的な数量を明示する これらを記載することで、読み手は必要な情報を漏れなく受け取ることができ、すぐに行動に移せます。 <4>形式を整える ビジネス文書では、内容に合わせて形式を整えることも重要です。形式が整っていないと読みづらく、雑然とした印象を与えてしまいます。読みやすい文書を作成するためには次のポイントを意識しましょう。 ①定型文を利用する 社内外で使用する文書には、定型文や決まったフォーマットが用意されている場合があります。これらを活用することで、無駄な手間を省きながらも、形式や表現の統一感を保つことができます。 ただし、定型文を使う際は、そのまま使うだけでなく、相手や状況に合わせて加筆することも大切です。例えば、お礼状の場合では、相手の名前や状況に合った言葉を加えることで、定型文であっても、心のこもった印象の良い文書に仕上げることができます。 ②見た目を整える 見出しや段落を適切に配置し、フォントや文字サイズに統一感を持たせることで、文書全体のバランスが良くなります。加えて、適切な行間を設定することで読みやすくなり重要な情報が目に入りやすくなります。 <5>ミスを防ぐ 文書を完成させたら、必ず見直しを行いましょう。日付や金額などの重要な項目は、特に慎重に確認する必要があります。これらが間違っていると、業務に支障を来し、信頼関係が損なわれるリスクがあります。また、誤字脱字や文法のミスが重なると、文書全体の信頼性が損なわれます。最後に、内容の一貫性や論理的な流れ、相手に対する配慮が十分かどうかも確認しましょう。 (金森たかこ/マナー講師)