『今日好き キョンジュ編』最終話ーー告白された人数18名の“沼らせ男”告白 まさかのダメ出しも
10月21日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。キョンジュ編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。 【写真】告白された人数18名の“沼らせ男”が告白した女子メンバー 「いつの間にか、好きになってました」 以下より、11月18日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。 ・だいき、とうき、じゅり、あやなーーメンバー各々が見せた“フラれにいってあげる”姿勢 運命の赤い糸が絡み合い、もはや解き方がわからなくなっている今シーズンの『今日好き』。いよいよ最終話を迎えたわけだが、簡単には終わらせてくれない。なんと、最終日恒例の“最後のアピールタイム”ではなく、新たにふた組でのグループ行動に突入したのだ。これはつまり、気になる相手と離れ離れになった場合、改めて気持ちをたしかめ合うことなく、そのまま告白の時間を迎えなければならないということ。さらに言い換えれば、その場合は昨晩が実質、ふたりで過ごした最後の時間ということになる。 この時点で早くも、とうき(上野道生)×めい(天宮芽唯)と、だいき(阿部大喜)×あやな(大澤綾菜)が、各々の恋にピリオドを打つ/打たれる。こちらの男子陣はどちらも偉いもので、とうきはリタイアこそしなかったものの、この後の告白でめいを指名せず、誰にも想いを伝えない決断をした。めいが残された時間、そうま(阿部創馬)のことだけを考えられるよう配慮したのだろう。告白の時間もその場に座り、ともに過ごした男子メンバーが意中の相手を指名し、告白の場へと向かう背中を見守り続ける。 だいきは告白こそしたものの、自身がフラれることは悟っていたのだろう。想いを伝えながらも、あくまであやなを送り出すような姿勢が感じられた。実は今回の告白、かなり以前の『今日好き』と同様、全員が集まった状態から立候補制で告白したいメンバーが順に挙手をするスタイルが採用されたのだ。 そのなかで、真っ先に手を挙げたのが、だいき。自ら、フラれにいくことーー。最初に記したとうきをはじめ、そうまから「自分があやなちゃんに告白するイメージが思いつかないっていうか……」と、悲しい一言を渡されてしまった、あやな。さらには前述のグループ行動できょうすけ(林京介)と離れ離れになり、その後も彼がれお(生方澪桜)に告白することで、“サイレントお祈り”をされたじゅり(榊原樹里)も含めて、結果的にフラれたメンバーが、相手がそうしやすいよう、フラれる。というより、“フラれにいってあげる”と書いた方が適切か。そのくらい潔く、かつ後悔ない勇姿を見せてくれたのが印象的だった。 このあたり、『キョンジュ編』でなかなかスポットの当たってこなかったメンバーたちが、最後にものすごく大人で、かつ周囲の恋を間接的に応援すべく、その役割を見事に果たしていたように思えてならない。彼らこそ、この旅の功労者だったと言えよう。 ・きょうすけ、最後は誰に告白? こお×めいあの約束は「深夜バスで絶対会いに行くから」 さて、今回の旅で最も注目を集めた、きょうすけを中心とする恋愛混戦図。彼のなかなか決めきれない様子を見るに、告白の場まで決断は持ち越されるものかと思ったが、その瞬間は意外にもあっさりと訪れた。 遡ること、前述のグループ行動でのこと。れおとの2ショットの際、おそらくは彼女もまた、きょうすけにフラれることを想像していたのだろう。妙に俯きがちで、前日までの快活さもどこか薄れてしまった様子。それもこれも、きょうすけがいまだ、なにを考えているか伝わってこないからだという。 だが、きょうすけ自身はすでに心を決めていたようで、じゅりに対しては友だち感の強さから。ほかの女子には、会話をする機会の少なさから。結果、れおに告白することを約束した。れおにとっては、ほとんど棚からぼた餅の状態で、さらっとものすごいことを言われたためか、まだ現実味を帯びていない言葉に聞こえたのだろうか。きょうすけの答えとしては、初日に一緒にスワンボードに乗船したれおに告白するという、収まるべきところに収まったわけだが、やはり時間がかかりすぎてしまった。 「いつの間にか、好きになってました」「こんなオレでよければ、付き合ってください」。あのモテ男=きょうすけがついに、運命の相手を選んで、告白。しかしながら、差し出された手をれおが握ることはなかった。理由は次の通り。「不安症な自分としては、2日目の夜に気になる人が4人いたことがつらくて、悲しくて。この先、ずっと一緒におるってなったら、“いろんな人にすぐいっちゃうのかな?”とか思っちゃうから」。 ここからの展開が『今日好き』の歴史でもなかなか見ないものだった。今回の旅を振り返るソロインタビューで、れおはきょうすけについて「(なぜ気になる相手が)増えるの?」や「もう、喋る人全員気になっとるやんけ!」と、精神的な辛さがあるはずなのに、なぜだか笑いが込み上げてきてしまう。強がりや、次の旅に向けた想いで笑顔を見せるでなく、好きになった相手へのツッコミで笑ってしまうという、なんともお笑い的なものであった。 さすがに、これは視聴者も一緒に笑ってよいものだろう。もしかすると、れおもまた、きょうすけの経験や勉強のため、年上として“フってあげる”という役割を果たしたのかもしれない。そうした意味で、彼より少し大人な部分を垣間見ることができたといえる。 最終的に、今回の『キョンジュ編』で成立したカップルは、ひと組。言わずもがな、2日目中盤からカップル成立が“ほぼ確”となっていた、こお(飯沼虎王)×めいあ(川野明愛)だ。こおからの告白の言葉は「深夜バスで絶対会いに行くから、不安にさせません。ふたりで幸せになろう」。あの失恋から1か月。こおは、めいあとともに未来を掴んだ。めいあもまた、自分の方からも「気合いで」会いに行くという宣言をしていただけに、自身に向けられたのと同じくらい、こおに対して強い想いを抱いていると信じたい。 最後には、こおがしてくれたのと同じく、野球のボールに「大好きです。」のメッセージを書き込んで、彼の方を目掛けて投げる。ボールに書かれた文字を見て、こおは「家宝じゃん」と呟いていたが、本当の家宝は、目の前にいる彼女自身だ。そして、そんな微笑ましい光景こそ、我々視聴者の家宝である。ふたりとも、本当におめでとう。
一条皓太