広島・新井監督 機動力“封印”予告!? 打倒・巨人へ秘策あり「来年、全然動かさないかも」
広島・新井貴浩監督(47)が22日、広島県呉市の「ネッツトヨタ広島呉店」でラジオ番組の公開収録に参加。今オフ、巨人が進める大補強を大歓迎した。今季の巨人戦は9勝13敗3分けと負け越し、自慢の機動力も不発。「来年、全然動かさないかもしれない」。機動力“封印”を予告するなど早くもけん制。リーグ連覇阻止へ向けて新外国人をはじめ、小園らの長打力向上に期待を寄せた。 新井監督はドンと来いと言わんばかりに、巨人の大補強を歓迎した。 「(巨人は)凄い補強をされている。今年のセ・リーグ優勝チームですし、広島魂で負けないぞと、逆に燃える。楽しみです」 ラジオ番組の公開収録で司会者から「来季、警戒する球団は?」と問われると、「巨人」と即答した。来季、7年ぶりのリーグ優勝を目指す上で、最大のライバルとなるのが今季のリーグ覇者。連覇へ向け今オフはNPB通算166セーブのマルティネス、強肩捕手の甲斐を獲得。また新外国人野手のキャベッジに加えて日米通算197勝を誇る田中将の獲得も決まっている。 今季、チームは巨人相手に9勝13敗3分けと2年ぶりの負け越しを喫した。特に機動力野球を掲げる新井カープにとって、甲斐の加入は大きな影響を与えそうだ。今季、チームはリーグ3位の66盗塁も、成功率・564は同5位。巨人戦の盗塁数は8個にとどまった。その反省を生かして、来季は“甲斐キャノン”もかいくぐりたいところだが、新井監督から驚きの発言が飛び出した。 「今季はなかなか得点できないから、こっちもリスク覚悟で走らせていた。だから、来年はもしかしたら全然動かさないかもしれない。そこもいろいろ考えている。全部はしゃべらないけど…。行くぞ、行くぞと見せかけて行きませんとかね」 巨大戦力を意識したけん制の意味も含め、機動力“封印”の可能性についても言及した。今季はレイノルズ、シャイナーの両助っ人が機能せず、打線は長打力、得点力不足に苦しんだ。それを補うため機動力で得点力アップを狙ったが、結果的には不発。同じ轍(てつ)を踏まないための理想として、指揮官は長打力向上を願った。 「新しく入った外国人選手には期待している。坂倉、小園も。小園には“本塁打2本じゃ寂しいぞ”と(言っている)。もっと長打を打てるはず。やっぱり長打がポイントになってくる」 今オフは新外国人野手のファビアン、モンテロを獲得。さらに6年目の今季は全試合に出場した小園らの活躍にも期待が膨らむ。リーグ4位からの逆襲を狙う新井カープが今季の借りは倍にして返してみせる。(長谷川 凡記) ≪先発ローテ「奪い合って」≫ ○…新井監督は先発ローテーションを巡る競争にも期待を寄せた。「(九里)亜蓮が移籍したことによって、チーム内で(先発の)椅子が一つ空いたから、どんどん奪い合ってほしい。激しい競争が見たい」。今季開幕投手を務め、長く先発ローテーションに君臨してきた九里が今オフに海外FA権を行使してオリックスに移籍。その空いた枠を巡り、来春キャンプでは若手投手を中心とする競争激化が予想される。「森、アドゥワ、斉藤、(ドラ2位)新人の佐藤だとか、みんな楽しみにしている」と熾烈(しれつ)なアピール合戦を熱望した。