カンボジア拠点に特殊詐欺容疑 フィリピンに逃げた責任者ら4人逮捕
カンボジアを拠点に特殊詐欺の電話をかけたとして、埼玉県警は18日、住所不詳、無職清原淳容疑者(30)ら4人をフィリピンから航空機で移送し、日本の領空で詐欺容疑で逮捕したと発表した。認否は明らかにしていない。 【写真】上田鴻志容疑者=2024年11月18日午後3時5分、成田空港、恒川隼撮影 このグループをめぐっては、詐欺などの容疑で、別の29人が逮捕・起訴されている。県警によると、清原容疑者は拠点の責任者をしていたとみられる。確認された被害は全国29道府県で110件、総額約10億1700万円にのぼるという。 他に逮捕されたのは、いずれも住所不詳、無職の上田鴻志(27)、沢田昌哉(44)、鈴木清二(30)の3容疑者。 組織犯罪対策3課によると、4人は他の人物らと共謀し、2023年7月14~19日、長野県大町市の80代女性に介護施設の入居をめぐりトラブルになっているとうその電話をかけ、現金275万円を千葉市中央区のアパートに郵送させてだまし取った疑いがある。 4人はカンボジアの首都プノンペンにある拠点のマンションで、特殊詐欺のかけ子をしていたとみられる。カンボジア当局が2023年9月11日、この拠点を摘発し、複数の日本人の個人情報が記載された名簿やスマートフォンを押収していた。 4人は9月の拠点摘発前に何らかの理由で日本に帰国。拠点が摘発された後に、フィリピンに逃亡したとみられるという。(恒川隼、浅田朋範)
朝日新聞社