NMB48山本彩は卒業後も大丈夫 デビュー当初から際立つ存在感と気配りの心
明るい雰囲気つくる不動のエース、メンバーへの気配りも温かく
その山本と渡辺は、このお披露目会見の翌月、7月に入ると、“キム兄”こと木村祐一がプロデュースする海の家「BEACH HOUSEきむら庵in江ノ島」の正式オープン会見に出席した。夏の青空が広がる暑い日だったが、「絶滅黒髪少女」のお披露目会見で山本、渡辺らの強いやる気を感じていた筆者は、迷うことなくカメラを持って江ノ島へ向かった。集まった報道陣の前にパレオ姿で現れた2人からは、NMB48を引っ張って行くんだという意気込みを感じた。
とくに山本は「NMB48のメンバーは大阪出身で口が達者なので、口での接客を頑張りたいです」と、笑いをとりに行って、会見の場をひときわ明るくさせていたのを覚えている。このとき、在京キー局で初めての冠番組「なにわなでしこ」(日本テレビ系)が放送スタートしたばかりだったNMB48。「絶滅黒髪少女」は7月20日にリリースされると、8月1日付オリコン週間シングルチャートで初登場1位を記録するなど順調な滑り出しを飾った。MV(ミュージック・ビデオ)は「日本の美」をテーマとして、行定勲氏が監督。西田一生氏(西田プロジェクト)が担当した振付も曲の魅力を盛り上げた。この頃のNMB48は、山本と渡辺のアイドルとしての確かな存在感とやる気がグループ全体を引っ張っていたのは間違いないところだろう。
一昨年、渡辺がグループを卒業してからも、山本は不動のエース的存在として活動を続けてきた。卒業の具体的日取りは未定だが、発表があった以上、それほど遠くない時期にその日はくるだろう。自分ばかりを主張するのではなく、他のメンバーへの気配りでも知られてきた山本。グループとしては卒業は寂しい限りだろうが、その一方で、卒業後の活躍がこれほど楽しみなメンバーもなかなかいない。 (取材・文・写真:志和浩司)