女芸人No.1決定戦「THE W」ダークホース、やましたって何者? 関西勢で唯一決勝へ
■ 『M-1』進出が大きな変化に?「想像していなかった」
──それでも『ABC』『NHK』で決勝進出するなど、やましたさんの現在の勢いは目を見張ります。 個人的には、同じピン芸人の真輝志さんと組んで『M-1グランプリ2024』に出た経験がとても大きかったです(準々決勝敗退)。というのも3回戦で、自分が想像していなかった拍手笑いが起きたんです。いつか自分もそういう拍手笑いがもらえる日が来るかなとは思っていたのですが、「あ、ここでもらえるんや」と驚いて。真輝志さんから得たものはすごくたくさんあって、練習のときも「声が小さいから、もっとボリュームを上げた方がいい」とか。やっていたつもりでもできていなかったことが、真輝志さんとの練習で気づけたんです。 ──真輝志さんのアドバイスは、やましたさんのネタにも影響を与えたりしましたか。 真輝志さんは漫才の練習のとき、よく「やましたがこういうことをしているところ、見てみたい」と言ってくるんです。で、大きい声を出させたり、泣き真似をさせたりしてくる。ネタが終わっても「やましたが一人でボケてるところが見たい」って、アドリブで続けさせてきたり。私もヒートアップしてリアルな嗚咽とか出すと、めっちゃウケてくれるから、もっとやりたくなってくる。そういう「真輝志イズム」は、間違いなく自分のピンネタにも生かされています。
──『THE W』で披露するネタの仕上がり状況も気になります。劇場でいくつかのネタを拝見していますが、少しずつ変化を加えたりしていて。よりおもしろくなるようにブラッシュアップされていますよね。 ご覧になっている方々に笑っていただきたいのは当然として、『THE W』では審査員のみなさんの票をどのように獲るかももあえて意識したいです。たとえば、ぼる塾さん、おかずクラブさんにパワーで対抗しても、きっと敵いません。だから、とにかくブワーッと喋り続けたり…そうやって今回の『THE W』をストイックな大会の流れに持っていきたいですね。 ──「ストイックな大会の流れにする」って、すごくかっこいいですね。 なんか偉そうに言っちゃって、本当にすみません…。ただ、ずっと喋るだけでは印象に残らないから、「こんなやつでも、こんなことをするんや」と思わせるようなこともちゃんとやりたいです。 ──『THE W』と同時進行で、『R-1』も迫ってきましたね。良い流れで『R-1』にも挑戦できるのではないですか。 2024年の流れを作ってくれたのは、2023年11月からABCラジオ『兵動大樹のほわ~っとエエ感じ。』に出していただけるようになったことかもしれません。その番組の上ノ薗(公秀)プロデューサーは、劇場入りを目指す若手のライブもよくご覧になっている方なんです。そこで「あなたのネタで声を出して笑ったことはないけど、今後化けそうな気がする」と声をかけてくださったんです。そうやって、感じたことをまっすぐ言ってくださる方はなかなかいないですから。