国公立大で拡大する推薦入試 定員増や女子枠設置も
各大学が推薦入試に力を入れる理由はさまざまですが、1つには「意欲の高い学生に入学してもらいたい」という思いがあるようです。 実際、大学からは「推薦入試を経て入学した学生は意識が高く、伸びる学生が多い」という声も多く聞かれます。
【入試動向】「女子枠」「探究型」「高大接続型」…新たなタイプの推薦入試に注目
推薦入試の募集枠や入試スタイルにも、新たなタイプのものが次々と登場しています。 なかでも注目したいトピックを2つ取り上げてご紹介します。 【■「女子枠」を新設する国公立大が増加中】 東京工業大では、2024年度入試の総合型選抜・学校推薦型選抜で、女性を対象とした「女子枠」を導入すると発表しました。 東京工業大以外でも複数の国公立大・私立大で、理工系学部を中心に推薦入試の女子枠を導入する大学が急増しています。 各大学で女子枠の新設が続いている背景には、「女性の理工系人材が不足していること」「学びの場に多様な価値観が求められていること」などがあるといわれています。 理工系の学問に関心のある娘さんがいらっしゃるご家庭では、推薦入試の女子枠も積極的に検討し、実施大学について調べてみてはいかがでしょうか。 【■「探究型入試」「高大接続型入試」など】 推薦入試の形態として近年、「探究型」や「高大接続型」と呼ばれるスタイルの入試を導入する大学・学部が出てきています。 「探究型入試」は、高校で行ってきた探究学習の学びを活用できる推薦入試です。 このタイプの入試では、探究学習に取り組んだ成果としてレポートや小論文などを提出したり、プレゼンテーションを行ったりすることが多く、その内容が評価の対象になります。 「高大接続型入試」の推薦入試は、文字どおり「高校と大学の学びを接続する」といった意図から行われています。 入試の内容は、その大学で行われている講義を受講した成績が評価の対象になるものなど大学・学部によってさまざまです。 多くの推薦入試は高3の秋から行われるため、入試対策は夏休み前から本格化することが多いようです。 しかし、高校3年間における探究学習の成果が問われる「探究型入試」などでは、高校で行ってきた活動そのものが入試にもつながっていることになります。 「今の学びが入試にもつながっている」という意識をもって、日々の授業に取り組むことが大切といえるでしょう。