インドネシア首都移転、担当トップが辞任 計画に懐疑的な見方広がる
Ananda Teresia [ジャカルタ 3日 ロイター] - インドネシアの首都をジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転して新首都「ヌサンタラ」を建設する計画で、担当する新首都庁のバンバン・スサントノ長官とドニー・ラハジョエ副長官が突然辞任した。 プラティクノ国家官房長官は3日、大統領が暫定的にバスキ・ハディムルヨノ公共事業・国民住宅相と農務副大臣を後任に任命したと発表した。 政府は公務員移動の第1陣として9月に1万2000人を移動させる計画で、インフラ建設を急ピッチで進めている。ただ、計画は既に2度延期された。ジョコ大統領が掲げる約32億ドルの看板プロジェクトだが、民間資金不足に直面しており、スサントノ長官らの辞任観測は以前からあった。これが現実化したことでプロジェクトの先行きに懐疑的な見方が強まった。 インドネシア戦略国際問題研究所のアナリスト、アリア・フェルナンデス氏は「問題は、投資家をどのように納得させるかだ」と話した。 公共事業・国民住宅相は3日に記者会見し、新首都計画地の土地所有権で障害があると述べた。ただ、早期解決の見通しを表明し「売却するにせよ、賃貸するにせよ、政府と企業が協力するにせよ、投資家が疑念を抱かないようにスピードアップして対処する」と話した。 インドネシア次期大統領のプラボウォ国防相は首都移転計画の継続を公約に掲げている。