いいときほど、足元をしっかり見よう!【大島康徳の負くっか魂!!第120回】
動ける原監督
今季キャリアハイ間違いなしの日本ハム・大田
8月はセ、パともにペナントレースの勢力図が大きく変わっていきました。セではDeNA、広島が首位・巨人にひたひたと迫り、「もしかしたら逆転もあるのか」と思っていたら、いつの間にか、再び巨人の独走気配です(成績ほかは、すべて8月21日現在)。 巨人は、岡本和真の復調も大きかったですね。ずっとあれこれ迷っているように見えましたが、20本塁打を超えたあたりで、吹っ切れたようです。技術的にも一時期は体の開きが早く外の変化球にもろさがありましたが、壁をつくることができてきたと思います。 巨人に関して言えば、何より1000勝を達成した原辰徳監督の采配でしょう。よく「あれだけ選手がいれば勝って当然」という声がありますが、それをうまく使いこなすのは簡単なことではありません。原監督を見ていていつも思うのは「動ける監督だな」ということです。ここぞの場面で躊躇(ちゅうちょ)なく、次の手を打ってきます。僕も監督経験者なので、その難しさはよく分かります。 パでは日本ハムが首位・ソフトバンクに急接近し、一時は0.5ゲーム差まで行ったんですが、8月は9連敗もあって、一気に急失速。まさかの5位です。こちらは西武が辛うじて追いかけていますが、残り試合を考えても、ソフトバンクがかなり有利になっています。 日本ハムの失速にはさまざまな要因がありますが、打線では四番・中田翔のケガが痛かったですね。打率はイマイチでしたが、彼には一発があるので、いるといないでは、相手バッテリーのプレッシャーがまったく違ってくるはずです。 しかも、今季の日本ハムは、まだチーム全体で78本とホームランが極端に少ない。中田は23本塁打ですから、3分の1近くを打っていたことになります。今は2年目の清宮幸太郎が代役ですが、まだ、少し荷が重い気がします。 ただ、それまでの栗山英樹監督は、限られた戦力の中で、よくやっていたと思います。以前も少し触れましたが、僕はオープナー、ショートスターターについては、賛成していませんが、大田泰示の二番は・・・
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週刊ベースボール